Devinとは、開発タスクを自然言語で依頼すると、計画立案から実装、検証までを自律的に進めるAIソフトウェアエンジニアです。

DevinとBolt.newを並べて比較する時点で、たいてい選択を間違えています。この2つは競合ではありません。片方は「すでにあるコードベースに入り込んで直す」ためのもので、もう片方は「何もないところから動くWebアプリを生やす」ためのものです。

検索で「Devin vs Bolt.new」と打つ人の多くは、AI開発ツールという大きな括りで2つを横並びにしています。でも実際に触ると、両者が解く問題はほとんど重なりません。だから「どっちが優秀か」ではなく「自分のタスクがどっち側か」を先に決めるのが正しいです。

この記事では、料金・自律性・対象コードベースの3軸で違いを切り分けて、用途ごとにどちらを選ぶべきかまで踏み込みます。

結論:既存コードを直すならDevin、ゼロから作るならBolt.new

Devin vs Bolt.new - 解説1

先に答えを出します。判断軸は「手元に直したいリポジトリがあるか、これから新しく作るか」の一点です。

既存のGitリポジトリにバックログが溜まっていて、バグ修正やリファクタを任せたいならDevin。アイデア段階のWebアプリやLPを今日中に公開したいならBolt.new。この境界線さえ握れば、残りの比較は確認作業にすぎません。

判断軸DevinBolt.new
何をするツールか既存リポジトリの自律改修Webアプリのゼロ生成
料金の入口従量課金$20〜(2.0で大幅値下げ)無料枠あり(フリーミアム)
動く場所クラウドの専用開発環境ブラウザ内(WebContainers)
公開までリポジトリ連携・PR経由Bolt Cloudで即時公開
向くユーザーエンジニア/開発チーム個人開発者・非エンジニア寄り

この表の通り、両者は「自律エージェント」と「ブラウザ完結型の生成環境」という別カテゴリです。次から各軸を細かく見ていきます。

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Devinとは:タスクを丸投げできる自律型AIエンジニア

Devin vs Bolt.new - 解説2

DevinはCognition社が開発した、自分でコードベースを調べてプルリクエストまで仕上げる自律型エージェントだ。チャットで対話しながら1行ずつ書かせるのではなく、課題を渡して放置できるのが核心になる。

クラウド側にエディタ・ターミナル・ブラウザを備えた専用環境を持ち、その中でDevinが計画立案・コード生成・テスト実行・PR作成を一気に進めます。人間はSlackやWeb UIで進捗を見て、必要なら追加指示を出すだけ。発想としては「AIに席を1つ与えて、ジュニアエンジニアとして働かせる」に近いです。

注目すべきは料金体系の刷新です。登場当初のDevinは月$500の固定プランで、個人が気軽に試せる価格ではありませんでした。それが2.0世代で従量課金モデルが導入され、$20程度から使い始められるようになりました。この変化が「一部の大企業向け」から「一般のエンジニアも検討対象」へとDevinの立ち位置を動かしています。

Devinが得意なこと

Devinの守備範囲は、既存コードベースへの介入そのものです。新規生成も一応こなすが、本領は「すでに動いているプロダクトに手を入れる」ところにあります。

  • 溜まったバグ修正・定型的な機能追加のバックログ消化
  • 別言語・別フレームワークへのコード移行
  • ブラウザ操作を含むVisual QA(画面を見て検証する作業)
  • PRレビューやテスト実行を含む一連の開発フロー

人間のエンジニアが「面倒だが頭はそこまで使わない」と感じる作業を、まとめて渡せるのが価値になります。

Bolt.newとは:ブラウザだけでWebアプリを生んで公開する環境

Devin vs Bolt.new - 解説3

Bolt.newはStackBlitz社のツールで、自然言語の指示だけでフルスタックのWebアプリをブラウザ内で生成・編集・公開できる。プログラミングの専門知識がなくても、テキストで「こういうアプリが欲しい」と書けば動くものが出てくるのが売りだ。

技術的な肝はWebContainersという仕組みで、ブラウザの中にNode.js環境を丸ごと再現しています。だから依存パッケージのインストールもライブプレビューも、ローカルに何もセットアップせずブラウザだけで完結します。生成したアプリはBolt Cloudでそのままホスティング・ドメイン・データベースまでつなげられます。

つまりBolt.newは「環境構築ゼロで、思いつきを公開可能なWebアプリにする最短ルート」を提供しています。無料枠があるので、まず触ってから判断できるのも個人開発者にとって大きいです。

Bolt.newが得意なこと

Bolt.newの強みは、アイデアから公開までのサイクルの短さに尽きます。

  • アイデア検証用のWebアプリ・LP・プロトタイプの即日構築
  • 環境構築なしでフロント〜バックまで一通り動かす
  • 非エンジニア寄りのプロダクト担当者・デザイナーによるUI試作
  • 無料枠での開発環境のお試し

ただしBolt.newは万能のノーコードではありません。レビュー記事でも指摘される通り、競合よりは「開発者の発想を前提にした作り」で、完全初心者向けというより「コードが読める人がもっと速く回す」道具に近いです。複雑な既存リポジトリへの介入は想定外です。

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料金で比較:Devinの従量課金vs Bolt.newの無料枠

Devin vs Bolt.new - 解説4

料金は両者を分ける大きな軸だが、性質がまったく違うので単純比較はできません。最新の体系は公式を確認してほしいが、構造はこうなっています。

項目DevinBolt.new
課金タイプ従量課金($20〜のスタート)フリーミアム(無料枠+上位プラン)
旧来との変化月$500固定から大幅に下がった当初から無料で試せる設計
コストの読み方タスク量に応じて増減生成量・利用量に応じてプラン選択
試しやすさ少額から開始可能まず無料でフル機能に近い体験

ざっくり言えば、Bolt.newは「無料で触ってから課金を決める」、Devinは「少額の従量課金で実タスクを投げて費用対効果を測る」スタイルです。

かつてDevinの月$500とBolt系の月数千円を比べて「桁が違う」と語られていたが、Devin 2.0の値下げでこの差は縮まりました。とはいえ、Devinに重いタスクを大量に投げれば従量で積み上がるので、コスト感は使い方次第になります。価格だけで選ぶより、後述の「どちらの仕事か」で決める方が外しません。

自律性で比較:放置できるDevin、対話で回すBolt.new

2つ目の軸は自律性の深さです。ここがDevinとBolt.newの思想差を一番はっきり表します。

Devinはタスクを渡して離席できます。コードベースの調査から実装、テスト、PRまで自分で段取りするので、人間は「依頼者」のポジションに立てます。進捗を見て軌道修正はするが、手元で逐一書く必要はありません。

Bolt.newは対話しながら逐次生成するスタイルです。「ここをこう変えて」「この画面を追加して」と指示を重ね、ライブプレビューで結果を見ながら詰めていきます。手元(ブラウザ)に成果物が常にあり、自分で触って確かめながら進む感覚に近いです。

どちらが優れているかではなく、欲しい関わり方が違います。「考えるのも含めて任せたい」ならDevin、「自分でコントロールしながら速く作りたい」ならBolt.new。この違いを言葉にしておくと選択がぶれません。

対象コードベースで比較:既存リポジトリ介入vsゼロ生成

3つ目の軸が、扱うコードの出発点です。これが用途を最終的に決めます。

Devinは既存リポジトリへの介入に最適化されています。すでにあるコードを読み、構造を理解した上で変更を加えます。だからレガシーな大規模コードベースや、テストが絡む改修に向きます。

Bolt.newはゼロからの生成に最適化されています。白紙の状態から「動くアプリ」を立ち上げるのが得意で、生成・編集・公開のサイクルを高速で回します。逆に、込み入った既存コードベースに後から入り込んで一部だけ直す、という使い方は想定の外側です。

導入を検討するなら、まず手元の状況を見てほしいです。GitHubに直したいリポジトリがあるならDevin側、何もないところから始めるならBolt.new側。これが一番外さない切り分けになります。

用途別:あなたはどちらを選ぶべきか

軸の話を、具体的なシーンに落とし込みます。

既存プロダクトのバグ・機能追加を任せたいエンジニア組織 Devin一択。バックログに溜まった定型修正を委譲でき、調査からPRレビューまで自律的に進みます。Bolt.newはゼロ生成寄りで、複雑な既存コードへの介入は守備範囲外です。

思いついたWebアプリを今日公開したい個人開発者 Bolt.newを推します。ブラウザで編集・依存解決・プレビューが完結し、Bolt Cloudでホスティングまでつながります。環境構築の手間ゼロで検証サイクルを回せます。

コード移行やVisual QAを自動化したいチーム Devinが噛み合います。別フレームワークへの移行やブラウザ操作を含む検証は、Devinの自律実行が活きる領域です。

非エンジニアがUIを試作したいフェーズ Bolt.newが向きます。プロダクト担当者やデザイナーが要件をテキストで入れて、動くUIをその場で確認できます。

企画から運用まで一気通貫で見たい組織 段階的な併用が現実的です。企画・検証フェーズはBolt.newで素早く形にし、本番運用・継続改修フェーズはDevinに渡します。AI開発ツールは1つに絞らず、フェーズで使い分ける発想が効きます。コーディング支援全般を見渡したいならAIコーディングツールのカテゴリも合わせて確認するとよいでしょう。

編集部の評価:競合ではなく役割分担で見るのが正解

正直に言うと、この2つを「どちらが上か」で比べる記事の多くは的を外しています。DevinとBolt.newは戦う土俵が違います。

Devin 2.0の従量課金$20スタートは破格です。月$500時代は「資金力のある組織だけのおもちゃ」だったが、この値下げで個人エンジニアの検討対象に入った。既存リポジトリへの自律介入という方向性は、他のチャット型コーディング支援とは明確に一線を画します。バックログを抱える現場には重宝します。

Bolt.newは「環境構築ゼロで公開まで」の体験が圧倒的に速いです。ただし完全な初心者向けノーコードと期待すると、やや微妙に感じる場面もあります。コードの当たりがつく人ほど真価を引き出せる、開発者寄りの道具です。

両者は競合ではなく分業相手です。新しく作るフェーズはBolt.new、既存を育てるフェーズはDevin。この役割分担で捉えれば、「どっちを買うか」ではなく「いつどっちを使うか」という正しい問いに変わります。判断に迷ったら、まず無料で試せるBolt.newから触り、改修ニーズが出てきた段階でDevinを少額従量で評価するのが手堅いです。

よくある質問(FAQ)

Q. DevinとBolt.newはどちらが安いですか?

入口のハードルはBolt.newが低いです。無料枠から始められるためコストゼロで試せます。Devinは2.0で従量課金$20スタートになり大きく下がったが、タスク量に応じて費用が積み上がります。少額で実タスクを投げて費用対効果を測れる点はDevinの利点です。

Q. プログラミング未経験でも使えますか?

Bolt.newは自然言語の指示でWebアプリを生成できるため、未経験でも触り始められます。ただしレビューでも「開発者の発想を前提にした作り」と評されており、コードが読める人ほど活かせます。Devinは既存リポジトリへの介入が主軸で、エンジニア・開発チーム向けです。

Q. 既存のGitHubリポジトリを直したい場合はどちらですか?

Devin一択。既存コードベースを調査して変更を加え、テスト実行からPR作成まで自律的に進める設計です。Bolt.newはゼロからの生成に最適化されており、複雑な既存リポジトリへの後付け介入は想定領域から外れます。

Q. 日本語に対応していますか?

UIは両者とも英語が基本です。指示文に日本語を混ぜて伝わる場面はあるが、公式に日本語UIを掲げているわけではありません。最新の対応状況は各公式サイトで確認してほしいです。

Q. 2つを併用する意味はありますか?

あります。企画・検証フェーズをBolt.newで素早く形にし、本番運用・継続改修フェーズをDevinに渡す段階的な併用は現実的です。役割が重ならないからこそ、フェーズで使い分けると無駄がありません。

まとめ:選ぶ前に「直すのか、作るのか」を決める

DevinとBolt.newの違いは、突き詰めれば「既存コードを直すか、ゼロから作るか」です。

直したいリポジトリが手元にあるならDevin。従量課金$20スタートで自律的にバックログを消化させられます。何もないところから今日中に動くWebアプリを公開したいならBolt.new。無料枠で試して、環境構築ゼロでサイクルを回せます。

この2つは競合ではなく分業相手だと捉えるのが、最も実用的な結論になります。まずは自分のタスクがどちら側かを決めてから、ツールを選んでほしいです。AI開発ツール全体の選択肢を見比べたい人はコーディングAIのカテゴリも参考になります。

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