概要

JIG-SAW Lorel.aiは、東証上場のJIG-SAW株式会社(証券コード3914)が2026年6月1日に正式リリースした自律型AI運用(AIOps)プラットフォーム。監視ツールが鳴らしたアラートを人が受け取って調べる従来の運用と違い、エージェンティックAIが予兆検知→原因特定(RCA)→復旧→最適化の4工程を自分で進める。JIG-SAWが国内で積み上げてきたシステム運用の実績と、複数の生成AIを組み合わせた基盤が土台にある。

主な機能

  • 予兆検知: Datadog・New Relic・Grafanaなど各種監視データを集約・横断分析し、異常の兆しを早期に拾う
  • 原因特定(RCA): デプロイ履歴・ログ・過去の類似事例をナレッジベースから参照し、根本原因を自動解析する
  • 自動復旧: 障害の原因に応じて最適なランブック(復旧手順)をエージェントが実行する。ランブックの自動生成にも対応
  • 最適化: 平時は監視ルールの自動設定とクラウドコストの削減提案を行う。使っていないリソースの停止・縮小まで踏み込む

導入効果(公式公表のPoC参考値)

  • MTTR(平均復旧時間): 45分 → 5分
  • 夜間・時間外の呼び出し: 月15回 → 1回
  • インフラコスト: 平均30%削減

公式の想定シナリオでは、深夜2時のDB高負荷アラートをAIが受信し、1分で原因を特定。事前ポリシーに基づいてDBを自動スケールアップし、翌朝のSlackに対応履歴と恒久対応案(インデックス追加の推奨コード)が届く流れになっている。

連携ツール

監視・可視化(Datadog、New Relic、Grafana、JIG-SAW OPS)、アラート管理(PagerDuty、Opsgenie)、クラウド(AWS、GCP、Azure)、コラボレーション(Slack、Teams、メール)など100以上のインテグレーションに対応。既存ツールをデータソースとして取り込む設計のため、乗り換えではなく「上に重ねる」導入になる。追加インフラは不要で、エージェント型アーキテクチャで接続する。Kubernetesのほか、EC2などの仮想マシン・マネージドサービス・オンプレミスにも対応する。

料金

Starter(PoC・トライアル向け)が月額3万円〜、Standardが年間契約で月額15万円〜(月額契約は20万円〜)、Enterpriseはカスタム見積もり。Starterはユーザー3名・1プロジェクト・10インテグレーション・AIエージェント実行月10回までの上限付き。Standard以上はユーザー・プロジェクト・インテグレーション・AI実行が無制限になる。別途、データ取込件数(100万件あたり1万円)、データ保存量(GBあたり月200円、無料枠あり)、AI利用回数(1回200円)の従量課金がかかる。料金はKubernetesノードを基準にしており、それ以外の環境は個別見積もり。

安全性・自律化の範囲

AIの自律度は「提案のみ」から始めて、実績に応じて自動実行の範囲を段階的に広げられる。AIが復旧案を提示し、人が承認してから実行する運用が可能。何を・いつ・なぜ実行したかは全件記録され、監査や経営報告にそのまま使える。処理が想定外の状態になった場合は自動で安全な状態へ戻すフェイルセーフ機構を備える。

向いている企業

マルチクラウド・マイクロサービス化で監視ツールが10種類以上に増え、アラート疲れと運用人材の不足が重なっている企業の情報システム部門・SRE・インフラ運用チーム向け。PoCは通常2〜4週間で実施できる。