HeyGenとは、AIアバターに入力した台本を話させ、撮影なしでプレゼン・研修・営業向け動画を作成できるAI動画生成ツールです。
両者を並べて検討している人の多くは、たぶん選択を間違えています。HeyGen と CapCut は「動画AI」という大きなくくりでは同じ棚に並ぶが、片方は撮影そのものを消し、もう片方は撮影後の編集を速くします。つまり競合ではなく、本来は工程の前半と後半で役割が分かれます。
それでも比較されるのは、どちらも「テキスト読み上げ」「字幕」「テンプレート」といった言葉が機能一覧に並ぶからです。言葉は似ています。中身はまるで違います。この記事では両者の核を6つの軸で切り分け、作りたい動画のタイプ別に結論を出します。
結論: あなたが「カメラの前に立つか」で決まる

撮影したくない・できないならHeyGen、撮った素材があるならCapCut。これが一行の答えです。
HeyGenはテキスト(台本)を入れるとAIアバターがそれを読み上げ、口の動きまで合った動画を生成します。カメラも照明もスタジオも要りません。研修・営業・商品説明のように「人が説明する動画」を、撮影なしで量産したい企業や講師に向きます。
CapCutは逆に、スマホやカメラで撮った映像が手元にある前提のツールです。その素材を切り、字幕を付け、音楽を乗せ、縦型に整えます。TikTokやYouTube Shorts、Instagram Reelsを回すクリエイターやSNS担当者の定番になっています。
両方を契約する必要があるケースは少ないです。自分が今「素材を持っていないのか」「素材はあるが編集に困っているのか」を見れば、答えは自然に決まります。
6軸でわかる主要機能の違い

下の表は両ツールの性格を6つの軸で並べたもの。価格はいずれも変動するため、最終確認は各公式で行ってほしいです。
| 比較軸 | HeyGen | CapCut |
|---|---|---|
| 核となる役割 | 台本からアバター動画を生成(撮影代替) | 撮影済み素材の編集・仕上げ |
| 無料枠 | あり(月あたり数十クレジット=数分相当) | あり(機能ほぼ無制限・透かしなし中心) |
| 有料目安 | Creator月$29前後〜 | Pro月$9.99前後〜 |
| 日本語UI | 対応(管理画面も日本語) | 日本語表示あり(機能名は英語混在) |
| 入力するもの | 台本テキスト・音声・写真 | 動画クリップ・画像・音声 |
| 多言語展開 | 翻訳+リップシンク再生成 | 字幕の翻訳表示が中心 |
表を一言でまとめると、HeyGenは「無」から人の動画を作り、CapCutは「ある」素材を磨きます。価格もHeyGenが明確に高く、CapCutは無料でかなり戦えます。
HeyGenの本質: 撮影という工程を丸ごと消す

HeyGenの価値は「カメラの前に立つ人を用意しなくていい」という一点に集約されます。
使い方はシンプルです。話させたい内容を台本としてテキストで入力し、アバターと声を選びます。あとは生成を待つだけで、選んだアバターが自然な口の動きで台本を読み上げる動画ができます。撮り直しは台本を書き換えるだけ。役者のスケジュールも、ノイズの少ない収録環境も要りません。
カスタムアバター機能を使えば、自分や自社の社員の映像・写真から専用アバターを作れます。一度作っておけば、本人が出社していなくても「その人が話す動画」を量産できます。経営者メッセージや講師の解説動画を、原稿だけで更新し続けられるのが強いです。
40言語超の翻訳とリップシンクも目玉です。日本語で作った動画を英語版・中国語版にする際、音声を吹き替えるだけでなく口の動きまで合わせ直します。海外向け展開を見据える企業には、ここが CapCut では代替できない決定的な差になります。
弱点もはっきりしています。価格は決して安くなく、無料枠は試用程度。そしてアバターは精度が上がったとはいえ、近接ショットや暗いシーンでは「作り物感」が残ることがあります。短尺の勢い重視コンテンツには馴染みにくいです。
CapCutの本質: 撮った素材を最速でSNS仕様に

CapCutは「編集の手間を限界まで減らす」ことに振り切ったツールです。しかも無料で。
自動字幕は音声を認識してテキストを起こし、タイムラインに乗せます。背景除去やグリーンスクリーンで人物・商品を切り抜き、テンプレートに流し込めば、編集ソフトに不慣れでも数分でSNS投稿用の縦型動画が仕上がります。比率調整も1タップです。
無料でここまで使える点が、個人クリエイターや小規模事業者に圧倒的に支持される理由になっています。透かしを気にせず投稿でき、有料プランに上げても月$10前後と、HeyGen の有料帯とは桁が違います。
ただしCapCutは「素材を作る」ツールではありません。話す人の映像がなければ、編集する対象がそもそも存在しません。テキスト読み上げ機能はあるが、HeyGenのように人が話しているように見せる用途ではなく、ナレーション補助の域です。ここを誤解して導入すると「思っていたのと違う」になります。
用途別の選び方
作りたい動画のタイプごとに、どちらを選ぶべきかを整理します。
社内研修・eラーニングを継続更新したい → HeyGen。台本を差し替えるだけで内容を更新でき、講師の撮影を毎回押さえなくていい。日本語UIなので社内展開もスムーズだ。
TikTok・Shorts・Reelsを量産したい → CapCut。自動字幕・テンプレート・背景除去・比率調整というSNSに直結する機能が無料で揃う。撮った素材を回す運用なら一択に近い。
既存動画を海外向けに多言語展開したい → HeyGen。翻訳とリップシンク再生成で、登壇動画や商品説明を別言語版として作り直せる。CapCutの字幕翻訳では口の動きまでは変えられない。
顔出しはしたくないが説明動画は要る → HeyGen。アバターが代わりに話す構造なので、撮影への心理的・物理的ハードルをまるごと外せる。
料金で比べる: 桁が違う2つのコスト構造
コスト感はまったく異なります。SNS編集が目的ならCapCutの無料枠で十分に戦えます。アバター量産が目的ならHeyGenの月額投資が前提になります。
CapCutは無料でも実用的な編集機能が揃い、Proでも月$10前後。素材編集に課金が必須になる場面は限られます。投稿頻度の高い個人や小規模チームには破格です。
HeyGenはCreatorプランで月$29前後から始まり、生成時間やアバター数で上位プランに上がります。無料枠は月1分前後の試用想定で、本格運用には課金が要ります。ただし「撮影スタジオ・役者・編集者の人件費を消す」と捉えれば、企業用途では十分に元が取れる投資でもあります。
価格は頻繁に改定されるため、契約前に必ず HeyGen と CapCut の公式料金ページで最新の数字を確認してほしいです。
併用という選択肢: 実は相性がいい
二者択一に見えるが、工程が違うからこそ組み合わせも成立します。
HeyGenでアバターが話す本体動画を生成し、それをCapCutに取り込んで字幕・BGM・テロップを足し、縦型に整えてSNSに投稿します。この流れなら「撮影なしの説明動画」を「SNS映えする仕上がり」にできます。
実際、企業のショート動画運用ではこの併用が増えています。HeyGenが素材を生み、CapCutが磨きます。役割が被っていないからこそ、両方使っても無駄になりません。ただし最初から両方契約する必要はありません。まず自分のボトルネックがどちらかを見極めてから足すのが賢いです。
編集部の評価
率直に言って、この2つを「比較して片方を選ぶ」発想自体がややズレています。
HeyGenはアバター動画の分野では圧倒的に完成度が高く、特に多言語のリップシンクは他で代替しにくいです。価格は正直高いが、撮影コストを丸ごと消せる企業にとっては重宝します。一方で短尺SNSの勢い重視コンテンツには微妙で、そこは無理に使う場面ではありません。
CapCutはSNS編集ツールとして完成されており、無料でこの機能はもはや破格。個人クリエイターやSNS運用なら、まずこれを入れない理由がありません。
HeyGenとCapCutは敵同士ではなく分業相手です。素材がないならHeyGen、素材があるならCapCut。両方の課題を抱えているなら、両方使えばいいです。
よくある質問(FAQ)
Q. HeyGenとCapCutはどちらを選ぶべきですか?
撮影せず台本からアバター動画を量産したいならHeyGen、撮った素材を編集してSNS用縦型動画に仕上げたいならCapCutです。「カメラの前に立つ人がいるか」で判断すると外しにくいです。
Q. CapCutは本当に無料で使えますか?
はいです。CapCutは無料でも自動字幕・背景除去・テンプレート・比率調整など主要な編集機能が使えます。Proは月$10前後ですが、SNS投稿用途なら無料枠でかなりの範囲をカバーできます。
Q. HeyGenの料金はどれくらいですか?
無料枠は月1分前後の試用想定で、本格運用はCreatorプランの月$29前後からが目安です。生成時間やアバター数で上位プランに上がります。価格は改定されるため公式での確認を推奨します。
Q. 海外向けに動画を多言語展開するならどちらですか?
HeyGenです。翻訳に加えて口の動き(リップシンク)まで再生成できるため、既存の登壇動画や商品説明を別言語版として作り直せます。CapCutの字幕翻訳では音声と口の動きまでは置き換えられません。
Q. HeyGenとCapCutは併用できますか?
できますし、相性も良いです。HeyGenでアバターが話す本体を生成し、CapCutで字幕・BGM・テロップを足して縦型に整える流れが効率的です。工程が重ならないため、両方使っても無駄になりにくいです。



