
n8n vs Bardeen比較|無料で始める自動化はどっち?料金と用途で選ぶ (2026年版)
この記事のポイント n8n は自前サーバーで動かせば実行回数無制限で完全無料、クラウド版は月€24から。サーバー側でAPIを叩く「業務基盤づくり」が得意。Bardeen はChrome拡張で動き、ブラウザ上のリサーチ・転記をエンジニア抜きで自動化する。迷うポイントは「サーバー側か、ブラウザ側か」の一点に集約される。
n8nとBardeenは、同じ「自動化ツール」でも住んでいる世界が違う。片方はサーバーでAPIを束ねる開発者の道具、もう片方はブラウザ上の単純作業を消す営業・マーケの道具だ。
両方を「自動化ツール」とひとくくりにして比較記事を読むと、たいてい判断を誤る。料金体系も、触る人も、解決する問題も別物だからだ。
この記事では実際の料金とできることを並べて、あなたの作業ならどちらが当たりかを最後に言い切る。
結論:サーバー側ならn8n、ブラウザ側ならBardeen

先に答えを言う。社内システムやSaaSをAPIでつなぎたいならn8n、ブラウザ上の手作業を消したいならBardeen だ。
n8nはWebhookを受けて条件分岐し、HTTPリクエストを投げ、必要なら独自コードを差し込める。CRM・基幹DB・外部APIを横断する「業務の配管」を組む道具だ。自前サーバーに置けばデータも実行環境も自社内に閉じられる。
Bardeenは違う。いま開いているWebページから会社名や連絡先を抜き取り、Google Sheetsに流し込む。営業リスト作り、競合調査、CRMへの転記といったブラウザ起点の反復作業を、エンジニアなしで当日から動かせる。
どちらが優れているという話ではない。解く問題が違うので、間違えると「高機能すぎて使いこなせない」か「機能が足りない」のどちらかになる。
料金で比べる:n8nの無料枠は破格

料金は両者で考え方がまるで違う。ここを理解すると選びやすくなる。
下の表は2026年6月時点の公開情報をもとにした主要プランの比較だ。
| 項目 | n8n | Bardeen |
|---|---|---|
| 無料枠 | セルフホストなら実行回数無制限で完全無料 | 無料プランあり(実行回数に制限) |
| クラウド有料 | Starter €24/月、Pro €60/月、Business €800/月 | 有料プランあり(クレジット課金) |
| 課金単位 | クラウドは「実行回数」、セルフホストは無料 | タスク(クレジット)消費 |
| 動作環境 | Docker / npmで自前運用、またはクラウド | Chrome拡張(クラウド連携) |
| 日本語UI | 英語中心(コミュニティ翻訳あり) | 英語のみ |
特筆すべきは n8nのセルフホスト無料枠 だ。自分のサーバーやVPSにDockerで立てれば、実行回数の上限なしでずっと無料で使える。Zapier や Make のように「タスク数が増えるほど課金」というモデルから抜け出せるので、大量実行するほど効いてくる。
ただしタダではない。サーバーの管理・アップデート・障害対応という運用コストが自分にのしかかる。ここを軽く見ると後で痛い目を見る。
クラウド版のn8nは月€24からと、運用を任せられるぶん有料だ。Bardeenはクレジット制で、無料枠で試してから有料に上げる流れになる。
学習コスト:Bardeenは当日、n8nは数日

自動化を「いつから回せるか」も大きな差だ。
Bardeenは既成テンプレート(レシピ)が豊富で、自然言語で「このページの情報をシートに入れて」と指示できる。Chrome拡張を入れて数クリックで動くので、非エンジニアでもその日のうちに成果が出る。
n8nはそうはいかない。ノードをつないでワークフローを設計し、APIの認証やデータ構造を理解する必要がある。最初の1本を組むのに数時間〜数日はかかると見ておくべきだ。
正直、ここでつまずく人は多い。「自動化したいだけなのに勉強が必要」という壁にぶつかる。逆に一度組めれば、Bardeenでは届かない複雑な処理まで自由に書ける。
学習コストは「初速のBardeen、応用力のn8n」と覚えておけばいい。
できることの違い:配管vs収集

両者の機能を一段深く見ていく。
n8nの主役はサーバー側の処理だ。Webhookでイベントを受け取り、条件で分岐し、複数のAPIを順番に叩き、結果をDBに書き込む。400以上のサービス連携に加え、JavaScriptやPythonのコードノードで好きな処理を差し込める。
Bardeenの主役はブラウザ側の収集と転記だ。Webスクレイピング、ページ間のデータ移動、SaaS同士の連携テンプレートが軸になる。あくまでChrome上で完結する作業が中心で、サーバーで黙々と動く重い処理は守備範囲外だ。
たとえば「毎晩、社内DBの新規注文を集計してSlackに通知」はn8nの仕事。「LinkedInの検索結果から見込み客を抽出してスプレッドシートに溜める」はBardeenの仕事だ。
この線引きを掴めば、もう迷わない。
AIエージェント統合:両者とも対応、設計思想で選ぶ
2026年の自動化ツール選びでは、AIをどう組み込めるかも外せない。
n8nは OpenAI や Anthropic のモデルを呼び出すノードを持ち、LangChain連携や自律的なAIエージェントのワークフローも組める。社内DBや外部APIと連携した「AIが判断して動く」業務フローを設計したいならn8nが強い。
Bardeenはブラウザで開いているページを文脈にしてAI処理を走らせる。「この求人ページを要約してメールの下書きを作る」といった、画面の前の作業をその場で賢くするタイプだ。
つまりAI統合も「サーバーで自律的に動かすn8n」「ブラウザ作業を賢くするBardeen」という同じ軸で分かれる。設計思想が一貫しているので、本体の選び方とAIの使い方は揃う。
セキュリティとデータ管理:n8nのセルフホストが効く
機密データを扱う現場では、ここが決定打になる。
n8nはセルフホストすれば、実行環境もデータも自社のネットワーク内に閉じ込められる。顧客情報や社外秘を外部クラウドに通したくない情シス・金融・医療系では、この一点でn8nが選ばれることが多い。
Bardeenはクラウド型でブラウザ上で動くため、扱うデータの性質によっては社内ポリシーと相性が悪い場合がある。導入前に自社のセキュリティ規程と突き合わせておくべきだ。
データの主権を握りたいならn8nのセルフホスト、手軽さ優先ならBardeen。トレードオフは明確だ。
どちらを選ぶべきか:ケース別の判断
ここまでを踏まえ、状況別に推奨を言い切る。
n8nを選ぶべき人
- 社内システムやSaaSをAPIで横断連携したい
- 実行回数が多く、タスク課金から抜けてコストを抑えたい
- 機密データを自社環境に閉じて運用したい
- AIエージェントを業務プロセスに組み込みたい
Bardeenを選ぶべき人
- ブラウザ上のリサーチ・転記・CRM更新を自動化したい
- エンジニアを介さず非エンジニアだけで回したい
- テンプレートを使って当日から効果を出したい
- 英語UIに抵抗がなく、まず無料で試したい
両方使う手もある。Bardeenで集めたデータをn8n側で処理する、という役割分担は実際に成立する。「収集はBardeen、配管はn8n」と分ければ、それぞれの得意を取りこぼさない。
編集部の評価
率直に言うと、この2つを直接比べて悩むのはやや珍しい。それくらい守備範囲が離れているからだ。
n8nはセルフホスト無料枠が破格だ。大量に自動化を回す開発者・情シスにとって、ZapierやMakeのタスク課金から逃げられる価値は大きい。一方で運用負担と学習コストは正直しんどく、非エンジニアが一人で抱えるのは厳しい。クラウド版を選べば運用は楽になるが、そのぶん料金がかかる。
Bardeenはブラウザ作業の自動化として重宝する。営業・マーケ・採用のリサーチや転記を消す用途では一択に近い。ただしサーバー側の重い処理や複雑な業務基盤づくりは守備範囲外で、そこを期待すると物足りない。
結論として、「自分はサーバーを触れるか、触りたいか」で9割決まる。触れるならn8n、触りたくないならBardeen。この問いに答えられれば、もう選び終わっている。
他の選択肢も気になるなら、Zapier や Make との比較も合わせて検討するといい。
よくある質問(FAQ)
Q. n8nは本当に無料で使えますか?
はい。自分のサーバーにDockerやnpmで立てる「セルフホスト」なら、実行回数の上限なしで完全無料です。ただしサーバー代と運用の手間は自己負担になります。クラウド版は月€24からの有料です。
Q. Bardeenはエンジニアでなくても使えますか?
使えます。Chrome拡張を入れてテンプレート(レシピ)を選び、自然言語で指示するだけで動きます。多くのユーザーは導入当日からブラウザ作業の自動化を始められます。
Q. n8nとBardeenは併用できますか?
できます。Bardeenでブラウザから集めたデータを、n8n側で受け取って処理する分担が現実的です。「収集はBardeen、サーバー側の配管はn8n」と役割を分けると両方の強みを活かせます。
Q. ZapierやMakeと比べてどうですか?
n8nはセルフホストで実行回数無制限にできる点と、コード拡張の自由度でZapier・Makeより複雑な処理に強いです。Bardeenはブラウザ上の作業に特化している点が両者と異なります。用途が「ブラウザ作業」ならBardeen、「アプリ間連携」ならn8n・Zapier・Makeの比較になります。
Q. 日本語で使えますか?
n8nのUIは英語中心ですが、コミュニティによる翻訳や日本語の解説が増えています。Bardeenは現状ほぼ英語のみです。どちらも英語UIへの抵抗が少ないほうがスムーズに使えます。
