Makeとは、アプリ、データソース、AIモデルをつなぎ、業務フローやAIエージェントを視覚的に設計できるノーコード自動化プラットフォームです。

MakeとYoomは、どちらも「アプリ同士をつないで業務を自動化する」ツールです。だが、似ているのは入口だけ。Makeは世界中のSaaSを自由配線する欧州発のiPaaS、Yoomは日本企業の紙・PDF・会議という固有の面倒をAIで潰すために生まれた国産プラットフォームです。

この違いを理解しないまま「とりあえず有名なほう」で入ると、後から効いてきます。請求書のOCRが欲しかったのにMakeで外部AIを継ぎ足す羽目になります。逆に、複雑な条件分岐を組みたいのにYoomの設計思想と噛み合いません。先に結論の地図を渡しておきます。

結論:分岐の自由度ならMake、AI処理の内製ならYoom

Make vs Yoom 比較 - 解説1

複雑な多段フローと条件分岐を細かく制御したいなら Make、AI-OCR・議事録・メール要約など「非構造データをAIで構造化する」業務が起点なら Yoom が正解です。

Makeの武器は「ワークフロー設計の自由度」、Yoomの武器は「日本の定型業務に効くAI機能の標準搭載」。どちらが優れているという話ではなく、自社の業務がどちらの形をしているかで答えが決まります。判断軸を1つだけ持つなら、「自動化したい業務の入口が、SaaSのデータか、それとも紙・PDF・音声か」を見ればいいです。

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MakeとYoomは何が根本的に違うのか

Make vs Yoom 比較 - 解説2

Makeは「配線盤」、Yoomは「AI付きの業務テンプレ集」と捉えると整理しやすいです。前者は素材を渡されて自由に組む道具、後者は日本企業の頻出業務をあらかじめ部品化した道具です。

Make(旧Integromat)は、ビジュアルキャンバス上にトリガー・アクション・条件分岐を並べ、3,000以上のアプリと400以上のAIアプリをつなぐ。ノードを線で結ぶ感覚で、エラー時の分岐やループ、データ変換まで1枚の図に落とし込める。設計の天井が高いぶん、覚える概念も多い。

Yoomは「フローボット」と「データベース」を中核に据えます。AI-OCRや音声文字起こし、メール要約といったAI処理が最初から機能として用意されており、PDFや画像から値を抜いてデータベースに登録し、Slackへ通知するところまでを1本のフローで完結できます。RPAと違い、人間の判断(承認・確認)をフローに差し込めるのも国産ツールらしい設計です。

要するに、Makeは「つなぎ方の自由」を、Yoomは「日本の面倒な作業をAIで肩代わりするテンプレ」を売っています。

Yoom icon
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主要スペック比較

Make vs Yoom 比較 - 解説3

下表は両者の特徴を、選定でよく問われる軸で並べたものです。価格や提供範囲は変動するため、最終判断は必ず公式の最新情報を確認してほしいです。

比較項目MakeYoom
出自欧州発のグローバルiPaaS日本(Yoom株式会社)
料金体系freemium(無料枠あり/従量・オペレーション課金)freemium(フリー〜サクセスの段階制)
主機能条件分岐・ループ・データ変換、3,000+アプリ/400+ AIアプリ連携、Webhook/APIAI-OCR、音声文字起こし、議事録作成、メール要約、フローボット、データベース
日本語環境画面は日本語化が進むが日本語ドキュメント・事例は限定的UI・サポート・事例がすべて日本語
学習コスト高め(自由度が高く概念が多い)中程度(テンプレが多く立ち上がりは速い)
拡張性Webhook/APIでほぼ無制限に拡張主要SaaS連携+社内データベース
向くユーザー運用担当・マーケター・開発知識のあるチームバックオフィス・営業事務・カスタマーサポート
苦手な領域OCR等のAI処理は外部連携で継ぎ足しが必要Make級の自由な多段分岐設計は守備範囲外

横軸(連携の広さ・設計自由度)はMake、縦軸(日本業務へのAI最適化)はYoomに分があると読めます。

料金で比べる:無料で試せる範囲が違う

Make vs Yoom 比較 - 解説4

両者とも無料プランを持つが、無料枠の「意味」が違います。Makeの無料はオペレーション(実行回数)の上限、Yoomの無料は人数とフロー数の上限で区切られます。

Yoom は公開情報上、フリー/パーソナル/ミニ/チーム/サクセスの段階制を採る。フリーは1名・フローボット5本・オペレーション5といった小さな枠で、まず触って感触を確かめる用途に向く。チームやサクセスへ上がると利用人数や作成可能フロー数が大きく広がる構成だ。

Makeはオペレーション課金が基本で、無料枠で動かしつつ、実行回数が増えるほど上位プランへ移行していく形になります。少回数・高機能を安く組みたいニーズに応えやすいのが特徴です。

どちらも料金体系は改定されるため、月額や上限の確定値は公式ページで確認するのが安全です。ここでは「Makeは実行回数で、Yoomは人数・フロー数で課金される」という設計思想の違いだけ押さえておけばいいです。料金比較の考え方は 比較・選び方ガイド も参照してほしいです。

用途別の選び方

自社の業務がどのパターンに当てはまるかで、選ぶべきツールは機械的に決まります。代表的な3シナリオで見ていきます。

マーケ・営業の多段オートメーションならMake

複数SaaSをまたいで「リード獲得 → CRM登録 → Slack通知 → 条件分岐 → 追加アクション」まで細かく制御したいなら Make です。条件分岐とステップ単位のデバッグが効くので、フローが複雑化しても破綻しにくいです。

Zapier より低コストで高度な分岐を組みたいケースとも相性がいい。実行結果をステップごとに確認できるため、込み入った自動化ほどMakeの自由度が活きる。

請求書・名刺などのデータ抽出ならYoom

紙・PDF・画像から値を抜く作業が起点なら Yoom 一択に近いです。AI-OCRが標準機能としてフローに組み込まれており、抽出 → データベース登録 → 通知までを1本で完結できます。

同じことをMakeでやると、外部のAI/OCRアプリを連携で継ぎ足す必要があり、構築工数が増えます。「非構造データの取り込み」が業務の入口なら、最初からそれ用に作られたYoomが速いです。

議事録・メール要約ならYoomが速い

音声の文字起こしから議事録生成、受信メールの要約・情報抽出は、Yoomが機能として持っています。テンプレ化されているぶん初期構築が速く、エンジニア不在のチームほど差が出ます。

Makeでも外部AIモデルを呼び出せば同等のフローは作れます。ただし「自分でAIを配線する」前提なので、立ち上げの速さでYoomに分があります。

学習コストと日本語環境のリアル

立ち上がりの速さは、機能の多さより「日本語でつまずかずに作れるか」で決まります。ここはYoomが明確に強いです。

Yoomはツール本体・ヘルプ・事例・サポートがすべて日本語で、社内に展開する際の説明コストが低いです。バックオフィスの非エンジニアでも、テンプレを起点に内製を進めやすいです。

Makeは画面の日本語化は進んでいるものの、踏み込んだ設定で参照する情報は英語が中心になりがちです。自由度の高さは裏を返せば「正解の作り方が一つでない」ということで、学習コストは高めに出ます。ただし n8n のような開発寄りのツールに比べれば、ビジュアル設計のぶんMakeのほうがとっつきやすいです。

連携できるアプリの広さ

連携先の数だけ見ればMakeが圧倒的だが、「数」より「自社が使うSaaSが入っているか」で評価すべきです。

Makeは3,000以上のアプリと400以上のAIアプリに対応し、Webhook/APIでさらに拡張できます。マイナーなSaaSやカスタムシステムまでつなぎたいなら、この広さが効きます。

Yoomは Salesforce や Notion など主要SaaSとの連携に加え、社内データベースを内側に持てるのが特徴です。連携数の絶対値ではMakeに及ばないが、日本企業の定番ツールは押さえています。使うSaaSが定番どころに収まるなら、数の差は実害になりません。

編集部の評価

公開情報とリサーチをもとにした、率直な評価を置いておきます。一次利用を装うつもりはないが、ツールの設計思想は十分に読み取れます。

Makeは、自由度を求めるチームには破格に強いです。3,000超の連携と細かい分岐制御は、自動化を「作り込む」前提のマーケ・運用チームにとって重宝します。一方で、OCRや議事録のようなAI処理を期待して入ると正直イマイチで、結局は外部連携の継ぎ足しになります。

Yoomは、日本のバックオフィス業務に対しては圧倒的に立ち上がりが速いです。AI-OCRと議事録・メール要約が標準で乗っているのは、紙とExcelと会議が多い日本企業にとって素直に価値があります。逆に、Make級の自由な多段フローを組もうとすると物足りなさが出る場面はあります。

結論はシンプルです。「設計の自由がほしいMake、AI処理の内製がほしいYoom」。両方を同時に満たす万能ツールではない以上、自社の業務の形に合うほうを選ぶのが唯一の正解になります。他の自動化ツールも見比べたいなら ツール一覧 を起点にするといいです。

よくある質問(FAQ)

Q. MakeとYoom、初心者が選ぶならどっち?

非エンジニアで日本語環境を重視するなら Yoom のほうが立ち上がりが速いです。テンプレが豊富でサポートも日本語だからです。自由に作り込みたい・将来的に複雑な連携を増やす前提なら Make を選ぶ価値があります。

Q. 料金はどちらが安い?

使い方次第で逆転します。実行回数が少なく高機能な分岐を組むならMakeが割安になりやすく、複数人でフローを量産するならYoomの段階制が見合うことが多いです。確定値は変動するため、両者の公式料金ページで自社の利用量に当てはめて比較してほしいです。

Q. MakeでOCRや議事録作成はできない?

できます。ただし標準機能ではなく、外部のAI/OCRアプリを連携して組む形になります。そのぶん構築工数が増えるため、OCRや議事録が主目的なら最初からYoomを選んだほうが速いです。

Q. ZapierではなくMakeを選ぶ理由は?

条件分岐・ループ・データ変換といった「作り込み」の自由度で Make が勝る場面が多く、コストも抑えやすいです。シンプルな1対1連携が中心なら Zapier でも十分で、複雑化するほどMakeの設計自由度が効いてきます。

Q. 両方併用する選択肢はある?

あります。日本固有のAI処理(OCR・議事録)はYoom、グローバルSaaSをまたぐ複雑連携はMake、と役割分担する構成は現実的です。ただし運用と料金が二重になるため、まずは主戦場をどちらか一つに寄せてから判断するのを勧めます。

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