Make vs Bardeen比較|月$10で選ぶ「裏側フロー」と「ブラウザ作業」の自動化 (2026年版)

Make vs Bardeen比較|月$10で選ぶ「裏側フロー」と「ブラウザ作業」の自動化 (2026年版)

この記事のポイント MakeBardeenは競合ではない。MakeはSaaS同士をサーバー側でつなぐ「裏方の配管工」、Bardeenはブラウザ画面の繰り返し作業を肩代わりする「手元のアシスタント」。PCを閉じても動かしたいならMake、見ているページからデータを抜きたいならBardeen。料金はMakeが月数百円規模の無料枠あり、Bardeenの有料は月$10。迷う最大の分岐点は「自動化したい作業がブラウザの中にあるか、外にあるか」だ。

「自動化ツール」と一括りにされるせいで、MakeとBardeenを同じ土俵で比べてしまう人が多い。これは選定ミスの温床だ。片方を契約してから「やりたかったことができない」と気づくパターンが、この2つでは特に起きやすい。

理由はシンプル。両者は自動化する場所が根本的に違う。Makeはクラウド上でアプリとアプリをつなぐ。BardeenはあなたのChromeの中で動く。この違いを押さえずに料金や機能数だけ見ると、確実に後悔する。

この記事では、何を自動化したいかを起点に、契約前の最終チェックとして使える判断軸を編集部の結論つきで整理する。

結論:ブラウザの中の作業ならBardeen、アプリ間の配管ならMake

Make vs Bardeen比較 - 解説1

先に答えを置く。Bardeen は「いま見ているWebページ」を起点にした作業の自動化に強い。リサーチ、リスト作成、CRMへの転記といった、人間がブラウザでポチポチやっている作業を肩代わりする。

Make は「アプリとアプリの間」を自動化する。Slack通知、データベース同期、Webhookの受け取りと条件分岐——画面の外、サーバー側で常時動き続けるフローが領分だ。

判断はこの一文で済む。自動化したい作業がブラウザのにあるならBardeen、ブラウザの(複数のSaaSをまたぐ裏側)にあるならMake。両方やりたいなら、両方使えばいい。月額を足しても自動化の専任スタッフ一人分には到底届かない。

一目でわかる比較表

Make vs Bardeen比較 - 解説2

両者の立ち位置の違いを表に落とした。スペック比較というより「担当領域の違い」として読んでほしい。

比較項目MakeBardeen
自動化する場所クラウド(サーバー側)ブラウザ(Chrome拡張)
料金無料枠あり、有料も月数百円規模から無料で開始、有料は月$10前後
得意な作業SaaS間のデータ同期・通知・条件分岐Webページからの抽出・リサーチ・CRM転記
連携数3,000以上のアプリ・400以上のAIアプリ1,000以上の既成プレイブック
PCを閉じても動くか動く(常時稼働)動かない(ブラウザ前提)
操作方式キャンバス型のビジュアル設計自然言語+既成レシピ
学習コストやや高い(複雑なフローほど)低い(テンプレから始められる)
日本語対応UI一部のみ、ドキュメント少画面は基本英語

表の要点はひとつ。「PCを閉じても動くか」の行が、この2つを分ける最大の境界線だ。ここが要件に刺さるかどうかで、選ぶべき側はほぼ決まる。

Makeとは何か:複数アプリをつなぐ「裏側の配管」

Make vs Bardeen比較 - 解説3

Makeは、複数のSaaSをまたぐワークフローをキャンバス上で組み立てるクラウド型の自動化プラットフォームだ。各アプリを「モジュール」として線でつなぎ、データの流れを目で見ながら設計できる。

強みは制御の細かさにある。条件分岐、繰り返し処理、データ変換、Webhookの受信——こうした「ロジックを含む処理」をステップごとに検証しながら積み上げられる。3,000以上のアプリ連携に加え、400以上のAIアプリ連携を持つため、フローの途中でAIモデルを呼び出すことも自然にできる。

そして安い。同種の Zapier と比べてコストパフォーマンスが高いのは、Makeを選ぶ実利的な理由のひとつだ。実行回数ベースの課金で、無料枠でも月数百〜千回規模のオペレーションが回せる。

弱点は学習コスト。シンプルな2ステップなら15分で組めるが、分岐とエラー処理が絡む実務フローになると、習熟に数日かかる。完全ノーコードを謳う割に、APIやJSONの概念をある程度知っていないと中級以上のフローは厳しい。

Bardeenとは何か:ブラウザ作業を肩代わりする拡張機能

Make vs Bardeen比較 - 解説4

Bardeenは、ブラウザ上の繰り返し作業を自動化するChrome拡張だ。閲覧中のページから情報を抜き出してスプレッドシートに転記する、LinkedInのプロフィールをスクレイピングしてCRMに流す——こうした「画面を見ながらやる手作業」に特化している。

最大の武器は1,000以上の既成プレイブック(レシピ)だ。ゼロから組まなくても、よくある作業はテンプレを選んで少し調整するだけで動く。自然言語で「このページの会社名と連絡先を抜いてSheetsに入れて」と指示する使い方もできる。

導入が軽いのも効く。Chrome拡張なので、インストールして数分で最初の自動化が動く。Makeのような「フロー設計」の概念を覚える前に、まず成果が出る。営業のリスト作成や採用候補のリサーチで、手作業が多い人ほど効果を体感しやすい。

弱点は、ブラウザに依存すること。Bardeenは原則あなたのChromeが開いている前提で動く。PCを閉じれば止まる。「夜間に勝手に回しておきたい常時フロー」には向かない。ここがMakeとの決定的な差だ。

用途別の選び方:3つのシーンで判断する

シーン1:SaaS間でデータを同期し、通知を飛ばしたい

フォーム回答をスプレッドシートに溜めつつSlackに通知し、条件によって担当を振り分ける——こうした裏側で常時動くフローは Make の独壇場だ。サーバー側で完結するのでPCの状態に左右されない。条件分岐とデータ変換を挟める柔軟さも、定型業務の自動化では重宝する。

シーン2:Webサイトからリード情報を集めてリスト化したい

営業リストや採用候補の収集など、「ブラウザで見ているページ」を起点にした抽出作業は Bardeen が向く。閲覧中のページから会社情報や連絡先を抜いてGoogle Sheetsへ転記する流れに特化しており、拡張機能なので導入も軽い。LinkedInからの情報収集はBardeenの代表的なユースケースだ。

シーン3:AIを業務フローに組み込みたい

データ変換やAPI連携を挟みながらAIモデルを呼び出すマルチステップの設計は、400以上のAIアプリ連携を持つ Make が適する。キャンバス上でAIをトリガーやアクションに置けるのが強い。Bardeenも自然言語指示には対応するが、対象はあくまでブラウザ作業の範囲に留まる。

料金で選ぶなら:両方とも無料で試せる

両者とも無料枠があり、契約前に身銭を切らずに試せるのは共通の利点だ。

Makeは無料プランで月あたり一定回数のオペレーションが使える。小規模な個人フローなら無料のまま運用できることも多い。有料プランも月数百円規模から始められ、実行回数に応じて段階的に上がる。Zapierと同じことをより安くやりたい層には刺さる価格設定だ。

Bardeenは無料で開始でき、有料プランは月$10前後。1,000以上のプレイブックと高度なスクレイピング・CRM連携が有料側で開放される。ブラウザ作業の自動化に月$10は、手作業1時間分の人件費と比べれば破格に近い。

料金で迷うなら、こう考えるといい。どちらも「失敗しても痛くない価格」だ。要件に近い方を1ヶ月試して、効果が出た方に絞る。机上で比較し続けるより、手を動かした方が早い。

Make・Bardeenの代替を検討すべきケース

どちらもベストでない場面もある。正直に挙げておく。

自社サーバーで完全に制御したい、あるいは無制限に近い実行回数が欲しいなら、オープンソースの n8n が候補になる。セルフホストすれば実行回数の課金から解放される。エンジニアがいるチーム向けだ。

ノーコードの分かりやすさを最優先し、多少高くても安定とサポートを取るなら Zapier が依然として鉄板だ。連携アプリ数とドキュメントの厚みは業界随一で、非エンジニアでも迷いにくい。

ブラウザ自動化でも、Bardeenより設定はやや複雑だが定期スクレイピングに強いツールもある。自動化したいのが「定期的な大量スクレイピング」なら、専用ツールも比較対象に入れる価値がある。

編集部の評価:競合させて選ぶ時点で問いが間違っている

率直に言う。MakeとBardeenを「どっちが優れているか」で比べるのは、ドライバーとレンチを比べるようなものだ。担当する仕事が違う。

公開情報とユーザーレビューを踏まえると、Makeは「複数SaaSをまたぐ裏方フロー」の細かい制御で一択に近い完成度を持つ。Zapierより安いという点も含め、コスト効率は圧倒的だ。一方で学習コストは正直それなりに要る。完全ノーコードを期待して入ると、中級フローの壁で挫折しやすい。

Bardeenは「ブラウザ作業の肩代わり」という一点で重宝する。月$10で営業・採用のリサーチ工数が削れるなら、回収は速い。ただしブラウザ依存という構造的な制約は最後まで残る。常時稼働の自動化を期待すると微妙な結論になる。

結局、選定の本質は機能比較ではない。「自動化したい作業はブラウザの中か外か」——この一問に答えれば、9割方は決まる。両方に当てはまるなら、両方契約しても月額は知れている。これが編集部の結論だ。

よくある質問(FAQ)

Q. MakeとBardeenは併用できますか?

できる。むしろ相性がいい。Bardeenでブラウザから集めたデータをスプレッドシートに溜め、それをトリガーにMakeが裏側で通知や同期を回す——という分担が自然に組める。担当領域が違うので、機能がぶつからない。

Q. プログラミング知識がなくても使えますか?

Bardeenは既成プレイブックから始められるため、知識ゼロでも最初の自動化は動かせる。Makeは2〜3ステップの単純フローならノーコードで組めるが、条件分岐やAPI連携を含む実務フローになるとJSONやWebhookの基礎知識があった方が圧倒的に楽だ。

Q. PCを閉じても自動化は動き続けますか?

Makeは動く。クラウド上のサーバーで完結するため、PCの電源に左右されない。Bardeenは原則ブラウザが開いている前提なので、PCを閉じると止まる。夜間や不在時に回したいフローはMake一択だ。

Q. どちらが安いですか?

用途次第だが、純粋な月額の入口はどちらも無料。有料はMakeが月数百円規模から、Bardeenが月$10前後。Makeは実行回数で段階課金、Bardeenは機能解放型の定額に近い。少額で試せる点は共通なので、価格差より「やりたいことに合う方」で選ぶべきだ。

Q. 日本語で使えますか?

どちらも完全な日本語対応とは言いがたい。MakeはUIの一部が日本語化されているがドキュメントは英語中心。Bardeenは画面が基本英語だ。とはいえ操作は視覚的・テンプレベースなので、英語が苦手でも実用に大きな支障は出にくい。

まとめ:自動化したい場所で選べば迷わない

MakeとBardeenの選択は、スペック表をにらむ作業ではない。「自動化したい作業がブラウザの中にあるか、外にあるか」——この一点に集約される。

ブラウザの中のリサーチ・抽出・転記なら Bardeen。アプリ間の同期・通知・条件分岐なら Make。常時稼働が要るならMake、手元の手作業を消したいならBardeen。両方やりたいなら両方契約しても月額は軽い。

どちらも無料で試せる。机上の比較を続けるより、要件に近い方を1ヶ月動かしてみる方が、答えは早く出る。自動化に必要な、より多くのツールは 自動化ツール一覧 でも比較できる。