
Softrの使い方と料金を解説|無料$0から月$269まで、Airtable連携・日本語対応の実態
この記事のポイント Softrは、コードを書かずに顧客ポータルや社内ツールを作る用途では一択級。AirtableやGoogle Sheetsの既存データを「画面」に変えるのが本質だ。無料プランで作り込みまで試せるが、本番公開には月$49〜(年払い換算)が要る。最大の弱点は管理画面が英語のみで日本語UIが無いこと。ここを許容できるかが、導入できるかどうかの分かれ目になる。
Softrとは? 既存データを「画面」に変えるノーコードツール

Softrとは、AirtableやGoogle Sheets、Softr Databasesにすでにあるデータを、Webアプリの見た目と権限で包んで公開できるノーコード(コードを書かずにアプリを作る手法)ツールです。
ここを誤解すると評価を間違える。Softrは「白紙からアプリを書く」道具ではない。ゼロからロジックを組むのではなく、既存の表を業務画面に変える道具だ。
設立は2020年、ドイツ・ベルリン。2021年のProduct Hunt で Product of the Year 2021 を受賞し、ヨーロッパで急成長したノーコードスタートアップの一つに数えられた。今は、顧客ポータルと社内ツールに特化したポジションを取っている。
向いているのは「データはあるが、見せる画面と権限がない」状態の人。逆に、独自の複雑なロジックをゼロから組みたい人には窮屈に感じる。
ここから、何ができるのか・どう使うのか・いくらかかるのかを順に見ていく。
Softrで何ができる? 押さえるべき5機能

機能は多いが、契約判断に関わるのは次の5つに絞られる。一つずつ、使いどころとあわせて整理する。
AI Co-Builderでたたき台を生成
作りたいアプリを文章で指示すると、AI Co-Builder がデータベース・画面・権限・ワークフローの下書きを一気に出す。白紙のキャンバスと向き合う時間がなくなるのが大きい。
ただし生成物は叩き台だ。そのまま本番にはならない。出てきた構造を理解し、項目や表示条件を手で詰める工程は残る。
なお AI Co-Builder には「AIクレジット」という月間の利用枠がある。無料は月5回、Basicは10回、Professionalは50回、Businessは100回(公式pricingページ、最終確認: 2026-06-28)。試作で何度も作り直すなら、この枠も判断材料になる。
既存データを起点にした画面構築
Airtable、Google Sheets、Softr Databases を接続し、一覧・詳細・フォーム・ダッシュボードを組む。顧客リストや在庫表、申請データを、そのまま業務画面にできる。
データ側を更新すれば画面に反映される。スプレッドシート運用からの移行先として現実的だ。
ロール別の表示・操作制御
ログインユーザーごとに、見えるデータと操作できる範囲を分けられる。顧客・社内担当・管理者で画面の中身を変えられる。会員サイトや顧客ポータルの肝になる部分が、標準で入っている。
ここがSoftrの重宝するポイントだ。自前で認証と権限を作ると重い処理が、設定だけで済む。
フォーム・決済・ワークフロー
問い合わせ、申請、登録のフォームを作り、決済や外部連携と組み合わせられる。情報を載せるだけのサイトではなく、入力→承認→更新→閲覧の業務フローをそのままアプリ化できる。
承認や通知といった一連の自動処理は「ワークフロー」と呼ばれ、これにもプランごとの実行回数の上限がある。
テンプレートからの逆算
クライアントポータル、在庫管理、会員サイト、社内ツールなど、用途別テンプレートが揃う。設計に慣れていなくても、完成形を分解しながら構造を学べる。
機能の地図が見えたところで、いちばん気になる料金に進む。
Softrの料金プランはいくら? 無料$0から月$269まで

Softrはfreemium型で、無料プランは期間無制限。クレジットカードなしで作り込みまで試せる。
下表は2026年6月時点の料金体系だ。Softrは年払い(年契約)だと月額が安くなる。月払いの定価と、年払いにしたときの月額換算を並べる。金額は改定されるので、契約前に公式の最新表を必ず確認してほしい。
| プラン | 月払い | 年払い換算(月額) | 同梱アプリユーザー数 | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | $0 | 10人 | 操作確認・試作 |
| Basic | $59 | $49 | 20人 | 個人・小規模の公開アプリ |
| Professional | $167 | $139 | 100人 | 本格運用・権限制御 |
| Business | $323 | $269 | 500人 | 複数アプリ・チーム運用 |
| Enterprise | 個別見積もり | 個別見積もり | 個別 | SSO・SOC2・大規模 |
つまり、試すのはタダ。本番公開で課金が始まる。無料のまま本番運用を完結させるのは現実的でない。
料金で見落としがちな「アプリユーザー数」
注意したいのは課金の単位だ。Softrでは「App Builder(作る人)」と「App User(ログインして使う人)」が分かれている。プラン選びに効くのは、後者の公開アプリにログインするエンドユーザー数のほうだ。
上の表のとおり、同梱されるアプリユーザー数はFreeが10人、Basicが20人、Professionalが100人、Businessが500人(公式pricingページ、最終確認: 2026-06-28)。顧客ポータルのように利用者が増える用途では、ここを基準にプランが押し上げられる。
月額の数字だけ見て「Basicでいい」と判断すると、ユーザー20人の壁にすぐ当たる。先に「何人がログインするか」を見積もってからプランを選ぶ。これが失敗しないコツだ。
機能を試す目的なら無料で十分。本番の人数が読めたら、その規模に合うプランへ上げる。次は、実際に最初のアプリを作るまでの手順を追う。
Softrの使い方:3ステップで初回アプリまで

実際に動かすまでの最短ルートを、3つのステップに分けて説明する。順番が成否を分けるので、その理由もあわせて書く。
ステップ1: アカウントを作り、作るものを決める
公式サイト(softr.io)から無料で登録する。メールアドレスがあれば、クレジットカードなしで始められる。
登録したら、いきなり画面を触らない。まず「何を作るか」を1つに絞る。顧客ポータル/社内管理ツール/会員サイト/ダッシュボードのどれに近いか。ここが曖昧だと、後の設計がぶれる。
ステップ2: データと権限を先に設計する
元データを選ぶ。Airtable、Google Sheets、Softr Databases のどれを土台にするかを決める。すでに表があるなら、それをそのまま接続できる。
そのうえで「誰がどのデータを見られるか」を初期段階で整理する。顧客には自分の注文だけ、社内には全件、管理者には編集権限――こうしたロール(役割ごとの権限)を、画面を作る前に紙でいいので書き出す。
ここを後回しにすると作り直しになる。Softrは画面がデータに従属する設計だからだ。
ステップ3: AI Co-Builderかテンプレートで生成し、整える
要件を文章で入力するか、近いテンプレートを選んでアプリを生成する。たたき台が出たら、ビジュアルエディタで画面・フォーム・表示条件を調整する。
最後にテストデータを入れて動作確認する。ロール別の表示が意図通りか、フォーム送信後にデータが正しい場所に入るか。ここまで確認して、初めて公開を検討する。
ポイントは順番だ。画面から作り始めず、データと権限を先に固める。土台が決まっていないと手戻りが増える。
手順がわかったら、自分が向いているかを確かめておく。
Softrは誰に向いている? おすすめできる人・できない人
判断を早めるために、適性を整理する。
向いている人
- エンジニアを専任できない中小企業や業務部門
- AirtableやGoogle Sheetsの既存データをアプリ化したい人
- 顧客ポータル・会員サイト・社内ダッシュボードを短期で整えたい人
- ロール別の表示制御やフォーム入力を組み込みたい人
逆に、合わない人もはっきりしている。
向いていない人
- 日本語UIで操作したい人(管理画面は英語のみ)
- 無料プランだけで本番運用を終わらせたい人
- 独自仕様の細かい画面挙動をコードで作り込みたい人
- 複雑な基幹システム連携や重いバックエンド処理が中心の人
迷うのは「英語UIを許容できるか」の一点に集約されることが多い。ここがクリアできれば、Softrは強い候補になる。逆に引っかかるなら、後述のGlideやBubbleとの比較を挟む価値がある。
SoftrはAirtableとどう連携する?
Softrの真価は、Airtable との組み合わせで出る。Airtable とは、表計算とデータベースの中間のようなクラウドツールで、ノーコード界隈では事実上の標準データソースになっている。
連携の流れはシンプルだ。Airtable 側にすでにある表(テーブル)を Softr に接続し、その列を画面の項目に割り当てる。一覧ページ、詳細ページ、フォームを、Airtable のデータに紐づけて生成する。
強いのは双方向に近い感覚で扱える点だ。アプリのフォームから入力した内容は Airtable に書き戻り、Airtable 側で編集した内容はアプリに反映される。データの正本は Airtable に置いたまま、Softr は「見せ方と権限」だけを担う。
役割分担で言えば、こうなる。
- データの管理・集計は Airtable に任せる
- 公開・ログイン・ロール別表示は Softr が担う
- 二重管理が起きないので、運用が軽い
すでに Airtable で顧客や案件を管理している組織にとって、Softr は最短の「アプリ化レイヤー」になる。Airtable を中心に据えたい人ほど、Softr の費用対効果は高い。
ただし注意点もある。レコード数(行数)の上限はプランで変わる。大量データを扱うなら、料金表の記録上限もあわせて確認しておくと安全だ。
Softrは日本語に対応している? 英語UIの実態
結論から書く。管理画面は英語のみ。日本語UIは無い(公式サイト、最終確認: 2026-06-28)。
ここで分けて考えたいのは、「作る側のUI」と「公開するアプリの中身」だ。
作る側、つまり管理画面(ダッシュボードや設定メニュー)は英語表記しかない。メニュー名や設定項目を英語で読む必要がある。専門用語も英語のままだ。
一方、公開するアプリの中身は日本語で作れる。見出し、ボタン名、説明文、フォームの項目――エンドユーザーが目にするテキストは、すべて日本語で入力できる。だからアプリの利用者が英語を読む必要はない。
つまり負担を負うのは「作る人」だけだ。一人で作るなら大きな問題にならない。問題はチームに展開するときで、複数人が管理画面を触る場合、英語が読めるメンバーに作業が偏りやすい。
機能は優秀なのに、日本語UIが無いというだけで国内チーム展開のハードルが上がる。ここがSoftrの最大の惜しいところだ。
日本語UIが必須なら、国産・日本語対応のノーコードツールも候補に入れたほうがいい。英語UIを許容できるなら、機能面でSoftrを外す理由はほとんど無い。
Softrを使うときの注意点・落とし穴
契約してから気づくと痛いポイントを、先に出しておく。
英語UIのみ。前述のとおり管理画面に日本語は無い。作る側が英語を読めれば問題ないが、チーム展開では学習コストがかかる。
無料と本番で条件が変わる。無料プランには機能・公開・ユーザー数の制限がある。試作で「いける」と思っても、本番要件で上位プランが必須になるケースは多い。
ユーザー課金の伸び。エンドユーザー数で料金が上がりやすい。Basicの20人を超えればProfessional、100人を超えればBusinessへ。顧客ポータルのように利用者が増える用途では、コスト試算を甘く見ないこと。
データ管理の確認。顧客データを扱うなら、公開範囲・ロール設定・フォーム送信後のデータの行き先を事前に詰める。ここを曖昧にしたまま公開するのが、いちばん危ない。
落とし穴を踏まえたうえで、他のノーコードツールと比べてどう違うかを見ていく。
SoftrとGlide・Bubbleの違いは?
同じノーコード枠でも、得意分野は分かれる。代表的な3つとの違いを、まず表で掴んでほしい。
| ツール | 得意 | Softrとの違い |
|---|---|---|
| Bubble | 自由度の高いWebアプリ | ロジックを細かく作り込めるが学習が重い |
| Glide | モバイル寄りの業務アプリ | スプレッドシート起点でモバイルUIに強い |
| Power Apps | 社内業務システム | Microsoft環境前提、外部公開ポータルは不得手 |
表だけでは決められない。1つずつ、住み分けを言葉で補う。
Softr vs Bubble
Bubble は画面も処理もフルスクラッチで組める分、自由度は圧倒的だ。代わりに習得コストが高い。
Softrは「既存データを早くポータル化したい」用途。Bubbleは「思い通りの挙動を作り込みたい」用途。出発点が違う。スピード重視ならSoftr、作り込み重視ならBubble、と覚えておけばいい。
Softr vs Glide
Glide はスプレッドシートを起点にする点でSoftrと近い。ただしモバイルアプリ寄りの仕上がりになりやすい。
ロール別表示を含む顧客ポータルやWeb中心の運用ならSoftr。現場のスマホ業務アプリならGlide。土俵が違うので、どちらが上という話ではない。
Softr vs Microsoft Power Apps
Power Apps は Microsoft 365 を使う企業の社内システム構築で強い。逆に、AirtableやGoogle Sheets を起点に外部向けポータルも作りたいなら Softr が噛み合う。エコシステムで選ぶツールだ。
このほか、モバイルネイティブ寄りのAdalo、社内ツール特化のRetool、Webサイト制作寄りのWebflowも、用途によっては比較対象になる。ノーコード全体の地図はノーコードツールのカテゴリもあわせて見ると、自分の用途に近い選択肢が絞り込める。
編集部の評価
公開情報と各種レビューを踏まえた率直な評価を述べる。一次利用の体験談ではなく、仕様とユーザーレビューに基づく判断だ。
顧客ポータル・社内ツール用途では一択級。ロール別の表示制御とデータ連携が標準で噛み合っている。同じことを他ツールでやると手間が増える。ここはSoftrの圧倒的に強い部分だ。
Airtable連携は破格に効く。すでにAirtableで運用している組織なら、データを動かさずに公開レイヤーだけ足せる。移行コストがほぼゼロで済むのは大きい。
英語UIは正直、惜しい。機能は優秀なのに、日本語非対応というだけで国内チーム展開のハードルが上がる。作る人が英語に抵抗ないかが、導入可否を分ける現実的な分岐点になる。
価格の伸びは要警戒。試すのはタダだが、エンドユーザーが増える用途では上位プランへ押し上げられやすい。Professionalで年$1,668、Businessで年$3,228(年払い換算、公式pricingページ、最終確認: 2026-06-28)。利用者数を見積もらずに始めると、ここで認識がずれる。
総合すると、「既存データがあり、英語UIを許容でき、顧客/社内向けの画面と権限を早く整えたい」人には強く勧められる。逆にどれか一つでも外れるなら、BubbleやGlideとの比較を挟む価値がある。
よくある質問(FAQ)
Q. Softrは日本語に対応していますか?
管理画面(作る側のUI)は英語のみで、日本語には非対応です。ただし公開するアプリ内のテキストは日本語で作成できるため、エンドユーザーが英語を読む必要はありません。負担を負うのは作る人だけです。
Q. 無料プランだけで本番運用できますか?
試作や操作確認には十分ですが、公開範囲・機能・ユーザー数(無料は10人まで)に制限があります。本番運用には月$49前後〜(年払い換算)の有料プランが現実的に必要です。
Q. プログラミングの知識は必要ですか?
不要です。AI Co-Builderやテンプレート、ドラッグ操作で構築できます。ただしデータと権限の設計を理解しておくと、手戻りが大きく減ります。
Q. どんなデータと連携できますか?
Airtable、Google Sheets、Softr Databasesが代表的な接続先です。既存の表をそのままアプリの土台にでき、アプリからの入力は元データに書き戻されます。
Q. SoftrはAirtableなしでも使えますか?
使えます。Softr Databases という内蔵データベースがあるため、Airtableを持っていなくても完結します。ただし、すでにAirtableやGoogle Sheetsでデータを管理しているなら、それを土台にしたほうが二重管理を避けられます。
Q. SoftrとBubbleはどちらを選ぶべきですか?
既存データを早くポータル化したいならSoftr、画面や処理を細かく作り込みたいならBubbleです。学習コストはBubbleの方が高い傾向があります。スピード重視ならSoftrが向きます。
Q. 料金は年払いと月払いでどれくらい違いますか?
年払いにすると、おおむね2か月分が割引になります。たとえばBasicは月払い$59に対し、年払いだと月額換算$49です(公式pricingページ、最終確認: 2026-06-28)。長く使う前提なら年払いが得です。
まとめ
Softrは、既存データを顧客ポータルや社内アプリへ最短で変えるノーコードツールだ。ロール別表示とAirtable連携の完成度は高く、用途がハマれば一択級に効く。
判断の分岐点は明確で、英語UIを許容できるかとユーザー課金の伸びを見積もれるかの2点。ここがクリアなら、無料プランで作り込みまで試してから有料へ進むのが堅実だ。引っかかるなら、BubbleやGlide、ノーコードツールのカテゴリを見て比較してから決めるといい。
あわせて読みたい
- Softrの詳細とユーザー評価
- Glideの詳細 — スプレッドシート起点でモバイルに強いノーコード
- Bubbleの詳細 — 自由度重視で作り込みたいなら
- ノーコードツールのカテゴリ一覧
参考: 料金・機能は Softr公式(https://www.softr.io/pricing)の2026年6月時点の表示に基づく(最終確認: 2026-06-28)。改定される場合があるため、契約前に最新の公式表を確認してほしい。
