
Grain vs Fireflies.ai徹底比較|営業の商談学習か全会議の議事録自動化か (2026年版)
この記事のポイント GrainとFireflies.aiは「会議を録画して文字起こしする」までは同じだが、その後の設計思想が真逆。Grainは商談の重要発言をクリップに切り出して営業・CSの学習資産にする道具、Fireflies.aiは全会議を漏らさず録って検索可能な議事録ワークスペースに溜める道具。どちらも日本語の会話文字起こしには対応するが、画面UIは英語のみという前提は共通する。
AI議事録ツールはもう「ボットが会議に入って文字起こしして要約メールを送る」だけでは差がつかない。2026年の競争軸は、文字起こしの後に何が起きるか — 検索、ワークフロー、コーチング、CRM連携 — に完全に移った。GrainとFireflies.aiは、その「後工程」の設計が最もはっきり分かれる2強だ。
結論を先に置く。商談や顧客インタビューの「刺さった一言」を切り出してチームで再生・共有したいなら Grain。Zoom・Teams・Google Meetを横断して、定例も採用面接も全部漏れなく議事録化したいなら Fireflies.ai。同じカテゴリの製品に見えて、解く課題が違う。
30秒でわかる結論

Grainは「営業の勝ちトークを資産化する」ツール、Fireflies.aiは「すべての会議を記録・検索可能にする」ツール。
- 発言クリップで営業を強くしたい → Grain
- 全会議を仕組みで漏らさず残したい → Fireflies.ai
- 両方とも日本語の文字起こしは可、UIは英語のみ
- 両方ともフリーミアム(無料プランから試せる)
この一行で当たりがつくなら、あとは無料プランで実際の自社会議を1本ずつ通してみればいい。以下は、その判断を外さないための詳細だ。
主要スペック比較表

まず全体像を一枚で押さえる。下表は公開情報と各社の機能説明に基づく整理で、価格や上限は改定が早いため契約前に公式で確認してほしい。
| 項目 | Grain | Fireflies.ai |
|---|---|---|
| 設計思想 | 商談クリップ=営業の学習資産 | 全会議の議事録ワークスペース |
| 録画方式 | ボット参加型+ボットレス(PC音声)両対応 | Zoom/Teams/Meetへ自動参加して録音 |
| 主機能 | 録画・文字起こし・AI要約・発言クリップ | 自動録音・文字起こし・要約・アクション抽出 |
| 検索性 | クリップ単位の共有が得意 | 全会議横断のキーワード検索が得意 |
| AI出力 | Markdownトランスクリプト書き出し | アクションアイテム自動抽出 |
| 日本語 | 会話文字起こし対応/UIは英語のみ | 会話文字起こし対応/UIは英語のみ |
| 連携 | Slack・CRM(要約/Markdown) | Slack・CRM・多数の業務ツール |
| 主な対象 | 営業・CS・プロダクト | 営業・人事・CS・全部門 |
| 料金 | フリーミアム | フリーミアム |
表のとおり、両者の分岐点は「録ったあとの主役がクリップか、検索可能なアーカイブか」に集約される。ここが選定の軸になる。
Grainとは:商談の「勝ちトーク」を切り出す道具

Grainは、会議そのものより会議の中の「一瞬」を資産化することに振り切っている。
商談の録画から、顧客が本音をこぼした30秒、競合の話が出た1分、刺さった提案トークだけをクリップとして切り出せる。それをSlackに貼れば、営業チーム全員がその場面だけを再生できる。議事録全文を読ませるより、勝ち筋のシーンだけを共有するほうが学習は速い、という思想だ。
もう一つの強みがMarkdownトランスクリプトの書き出し。商談ログをそのままAIに食わせて、傾向分析や提案書のたたき台を作る運用と相性がいい。ボットを会議に入れたくない1on1や機密度の高い商談では、PC音声から拾うボットレス文字起こしに切り替えられる柔軟性もある。
対象は営業・CS・プロダクトリサーチ。「会議の記録」が目的ではなく、「会議から学ぶ」が目的のチームに向く。
Fireflies.aiとは:全会議を漏らさず溜める議事録基盤

Fireflies.aiは、とにかく全部の会議を記録して検索可能にすることに最適化されている。
カレンダーと連携しておけば、Zoom・Microsoft Teams・Google Meetの会議にボットが自動参加し、録音・文字起こし・要約・アクションアイテム抽出までを一気通貫でこなす。人が「録画ボタンを押す」運用に依存しないので、定例会議・採用面接・社内MTGまで含めて記録の取りこぼしが起きにくい。
溜まった議事録は共有ワークスペースで横断検索できる。「あの案件、いつ誰が何を約束したか」を後から掘り出せるのが効く。要点・決定事項・ToDoが自動で構造化されるため、議事録を手で清書する文化がそのまま消える。
対象は特定部門に限らず全社。ただし2026年は、隠れたクレジット課金やGoogle Meetでの誤検知といった運用上の引っかかりを指摘する声も出ており、無料枠で自社環境との相性を見てから広げるのが安全だ。
録画方式の違いが運用を分ける
GrainとFireflies.aiで最初に体感する差は「どうやって録るか」だ。
Fireflies.aiは自動参加・全録が基本。会議に必ずボットが現れる前提なので、社外参加者から見て「録ってますね」が明示される。これは透明性として歓迎される一方、機密商談や繊細な1on1ではボットの存在自体が気になる場面もある。
Grainはボット参加とボットレス(PC音声)を使い分けられる。投資家との面談やセンシティブな1on1ではボットを入れず、通常商談では入れる、といった切り替えができる。「常に全録」より「録る場面を選ぶ」運用に向く。
ボットが毎回現れて困る会議があるなら、その一点だけでGrainが有利になりうる。逆に「人の判断に任せると録り忘れる」組織はFireflies.aiの全自動が効く。
要約・AI活用の質で見る違い
要約の方向性も製品思想を映している。
Fireflies.aiの要約は「決定事項とアクションアイテムの抽出」が主役。会議のあと、誰が何をいつまでにやるかが箇条書きで残るので、タスク管理のフロントエンドとして機能する。プロジェクト進行や社内オペレーションの記録に強い。
Grainの強みは要約そのものより、要約とクリップとMarkdown出力の組み合わせ。商談の要点を残しつつ、刺さった発言をクリップ化し、全文をMarkdownでAIに渡す — この三段構えで「会議を二次活用する」ところまで設計されている。商談データをLLMで分析する運用なら、この出力の素直さが地味に効く。
どちらが上という話ではない。タスク化したいならFireflies.ai、学習・分析素材にしたいならGrain、と用途で割り切るのが正解だ。
連携・共有のしやすさ
両者ともSlackとCRM連携を備えるが、流す中身が違う。
Grainは「クリップ」と「要約Markdown」をSlack・CRMに流すのが得意。営業チャンネルに勝ちトークの30秒が貼られ、その場で再生できる体験は学習スピードを上げる。CRMに要約を残せば、案件の温度感が履歴として積み上がる。
Fireflies.aiは「議事録そのもの」を業務ツール群に配る設計。連携先の幅が広く、議事録を起点に各ツールへタスクや要約を撒く運用に乗せやすい。会議を中心にワークフローを回したい組織にフィットする。
共有の発想が「シーンを配る(Grain)」か「記録を配る(Fireflies.ai)」かで分かれている、と捉えると選びやすい。
料金と無料プランの見極め方
両者ともフリーミアムで、無料プランから始められる。ここで失敗しないコツがある。
無料枠は「録れる時間」「保存できる本数」「使えるAI要約の回数」あたりに制限がかかるのが通例で、上限は改定が早い。だから比較は機能一覧ではなく、自社の実会議を1〜2本通して行うべきだ。日本語の文字起こし精度、要約の使えるレベル、共有のしやすさは、実データを流さないと体感できない。
- Fireflies.aiは「クレジット制で見えにくい追加課金」が指摘されることがある。無料で上限到達時に何が起きるかを先に確認
- Grainはクリップ作成・Markdown出力が無料枠でどこまで触れるかを確認
- 価格・上限は必ず公式の最新ページで確認(本記事は暫定値を載せない)
価格だけで選ぶと、運用に乗ったあとの上限で詰む。先に「どう使うか」を決め、その使い方が無料枠で破綻しないかを見るのが順序だ。AI議事録カテゴリ全体の俯瞰は AI議事録・文字起こしツール のまとめも参照してほしい。
体制別おすすめ:あなたはどちらを選ぶべきか
最後に、組織のタイプ別に結論を置く。
営業・CSチーム(商談の質を上げたい)→ Grain 顧客の生の声をクリップで共有し、勝ちトークを横展開する運用に最も向く。商談ログをAIで分析したい場合もMarkdown出力が効く。
全社・バックオフィス(記録を仕組み化したい)→ Fireflies.ai 定例・採用面接・社内MTGを漏れなく自動記録し、後から横断検索したいなら一択。録り忘れが構造的に消える。
少人数スタートアップ → まず両方の無料プラン 1週間、同じ会議を両方に通して、日本語精度と共有体験を比べる。学習資産が欲しいか、記録基盤が欲しいかで自然に片方へ寄る。
プロダクト・リサーチ部門 → Grain ユーザーインタビューの重要発言をクリップ化してチームへ回せるため、リサーチの活用度が一段上がる。
編集部の評価
率直に言って、この2つは「比較して片方を選ぶ」より「課題で指名買いする」製品だ。
Grainは営業の学習資産化という一点で重宝する。商談のどこが効いたかをチームで再生できる体験は、議事録全文を配るより圧倒的に学習が速い。Markdown出力でAI二次活用まで素直に流れるのも今っぽくて好印象だ。
Fireflies.aiは「全会議を漏らさず溜めて検索する」基盤として依然強い。一方で2026年は、クレジット課金の見えにくさやMeetでの誤検知といった指摘も出ており、ここは正直、無料枠で自社環境を試してから本採用を判断したい。最低限の録音・文字起こし・要約はもう各社横並びで、差は運用のなめらかさに出る。
迷ったら、判断軸は一つでいい。「会議から学びたい」ならGrain、「会議を残したい」ならFireflies.ai。 どちらも無料で試せるのだから、自社の実会議を1本通せば答えは出る。
よくある質問(FAQ)
Q. GrainとFireflies.aiはどちらを選ぶべきですか?
商談や顧客インタビューの発言クリップを作り、営業・CS・プロダクトで共有学習したいならGrain。Zoom・Teams・Google Meetを横断して全会議の議事録を自動化したいならFireflies.aiです。「学びたい」か「残したい」かで分かれます。
Q. どちらも日本語の文字起こしに対応していますか?
どちらも日本語の会話文字起こしに対応します。ただし画面UIは両者とも英語のみが前提です。日本語会議の記録は可能ですが、操作画面は英語と割り切って検討する必要があります。
Q. 商談の発言クリップ共有にはどちらが向きますか?
Grainが向きます。重要発言を30秒〜1分のクリップに切り出してSlackやCRMに貼れるため、刺さったトークや顧客の本音を営業チームの学習資産として残しやすいです。
Q. ZoomやTeams、Google Meetの議事録自動化にはどちらが向きますか?
Fireflies.aiが向きます。カレンダー連携でボットが自動参加し、録音・文字起こし・要約・アクションアイテム抽出まで一気通貫。録り忘れが構造的に起きにくいのが強みです。
Q. 無料で試せますか?費用の注意点は?
両者ともフリーミアムで無料プランがあります。無料枠は録音時間・保存本数・AI要約回数に制限がかかり、上限は改定が早いので必ず公式の最新ページで確認してください。Fireflies.aiはクレジット制の追加課金が見えにくいとの指摘もあるため、上限到達時の挙動を先に確認しておくと安全です。
