Fireflies.ai vs Loom AI違いと選び方|月$10議事録と非同期動画の使い分け (2026年版)
この記事のポイント 両者は「比較対象」に見えて、解く課題が逆方向にある。Fireflies.aiは会議に同席して録音・文字起こし・要約する議事録ボット、Loom AIは会議を開かずに済ませるための非同期動画ツール。会議を記録したいならFireflies.ai、会議を減らしたいならLoom AIが答えになる。
ZoomやTeamsで毎日何件も会議をこなし、終わるたびに議事録を手で起こしている人にとって、本当に必要なのはFireflies.aiだ。逆に、文章で書くと長くなる手順説明や仕様の共有に時間を取られているなら、Loom AIが効く。両者を「AI会議ツール」とひとくくりにして迷う人は多いが、片方はライブ会議の記録、もう片方は録画動画の共有で、入口がそもそも違う。
このすれ違いを放置したまま導入すると、「議事録が欲しかったのにLoomを入れてしまった」「動画で伝えたいのにFirefliesを契約した」という的外れが起きる。まず両者の本質的な違いを押さえてから、料金・日本語対応・用途別の向き不向きの順で判断材料を並べていく。
結論: 会議を「記録」したいか「減らしたい」か
Fireflies.aiはライブ会議に同席して自動で文字起こしと要約を残すツール、Loom AIは画面とカメラを録画して非同期に共有する動画ツールで、選択の軸は「同期か非同期か」に集約される。
判断はシンプルだ。リアルタイムで人が集まる商談・定例・面接の中身を、後から検索できる形で残したいならFirefliesが一択になる。一方、相手の時間を拘束せずに「この画面のここをこう操作する」を伝えたいなら、文章よりも録画動画のほうが速く、その用途でLoomが圧倒的に強い。
両者は競合というより補完関係にある。会議の議事録はFirefliesに任せ、手順説明やバグ報告はLoomで動画化する、という併用が実態として最も無駄がない。どちらか一方しか選べない前提で比べると、本来カバーできる範囲を狭めてしまう。
そもそも何が違うのか: 議事録ボットvs非同期動画
Fireflies.aiは会議に「参加者」として入り発言を記録する受動的なツール、Loom AIはユーザーが能動的に録画して相手に送る発信ツールという、立ち位置の違いがすべての差を生む。
Firefliesは、カレンダーに登録された会議へボットが自動で参加し、音声を文字起こしして、終了後に要約・決定事項・アクションアイテムを生成する。人は会議に集中していればよく、記録は裏で勝手に積み上がる。出力されるのは「テキストの議事録」であり、後から全文検索したりCRMへ流し込んだりする使い方が前提になっている。
Loomは逆に、ユーザーが自分の画面やカメラを録画して短い動画を作り、リンクで共有する。AIはその録画に対してタイトル・要約・チャプターを自動生成し、必要なら内容を手順書やメッセージのテキストへ変換する。出力の主役は「動画」で、テキストはそれを補助する位置づけだ。記録の自動蓄積を狙うFirefliesと、意図的な発信を速くするLoomは、設計思想が反対を向いている。
主要機能で比較する
下の表は、料金・主機能・日本語対応・想定ユーザーといった選定で効く項目を一覧にしたものだ。
| 比較項目 | Fireflies.ai | Loom AI |
|---|---|---|
| 区分 | ライブ会議の議事録・文字起こし | 非同期の画面録画・動画共有 |
| 料金体系 | freemium(無料プランあり、Proは月$10前後) | freemium(無料プランあり) |
| 主機能 | Zoom / Teams / Meetの自動録音・文字起こし・要約、決定事項とアクション抽出 | 画面・カメラ録画、要約・タイトル・チャプター自動生成、テキスト変換 |
| 対応言語 | 100以上の言語の会話を認識(UIは英語中心) | 録画と要約は多言語対応(UIは英語中心) |
| 検索性 | 全議事録を横断検索できるワークスペース | 動画ライブラリ単位での管理 |
| 連携 | CRM、Slackなど営業・業務ツール | Jira連携、AIによるテキスト変換 |
| 主なユーザー | 営業・人事・カスタマーサクセス | 開発・CS・リモートチーム |
| 強み | 会議記録の自動化と再利用 | 口頭説明と文書の二重作業の削減 |
要するに、Firefliesは「会議の中身を構造化テキストで残す」ことに最適化され、Loomは「伝えたいことを動画で速く渡す」ことに最適化されている。表の各行はその一点から派生した違いだと読むと整理しやすい。
料金で比較する: 隠れコストに注意
両者とも無料プランを用意しているが、Firefliesは録音回数や保存上限、AIクレジットといった「使うほど効いてくる制約」が課金の分かれ目になりやすい。
Firefliesの無料プランは試用には十分だが、文字起こしの保存数やAI要約のクレジットに上限があり、会議量の多いチームはすぐ有料プランへ押し上げられる。Proはおおむね月$10前後で、検索可能なアーカイブやCRM連携が解放される。海外のレビューでは、無料枠で謳われる機能と実際に使える量のギャップや、クレジット消費の分かりにくさを指摘する声が増えている。導入前に「自分のチームの月間会議数で無料枠に収まるか」を見積もっておくのが安全だ。
Loomも無料プランがあり、録画本数や長さに制限がかかる形が一般的だ。動画ホスティングが価値の中心なので、保存容量や視聴分析、AI要約・チャプターといった機能が有料プランの判断軸になる。両者に共通するのは、表面の月額だけでなく「自分の使用量で上限に当たるか」で実コストが決まる点。料金表の数字より、利用量ベースで試算するほうが失敗しない。
日本語対応と文字起こし精度
Fireflies.aiは日本語を含む100以上の言語の会話認識に対応しており、日本語の会議内容を扱う前提なら現実的な選択肢になる。ただしUIや要約の自然さは英語が中心だ。
日本語の会議を録って議事録にしたいなら、まず会話の認識精度が要になる。Firefliesは多言語の文字起こしに対応し、日本語の商談や定例でも実用範囲で動く。一方で管理画面や一部の要約表現は英語前提の設計が残るため、純粋な国産ツールほどの日本語UIの滑らかさは期待しないほうがいい。専門用語や固有名詞の多い会議では、後から軽く校正する運用を見込んでおくと安定する。
Loomの場合、文字起こしはあくまで動画の補助だ。録画したナレーションの要約やキャプションに使う想定で、議事録の主軸として日本語精度を比べる相手ではない。日本語の会議記録の精度を重視するなら土俵に上がるのはFireflies側で、Loomはその比較の対象外と捉えたほうが判断を誤らない。
用途別の選び方
実際の業務シーンに当てはめると、どちらを選ぶかはほぼ機械的に決まる。代表的な4つのケースで整理する。
商談・営業会議の記録を残したい ─ Fireflies.aiを推奨する。ZoomやMeetの商談を自動録音し、文字起こし・要約・決定事項の整理まで一気通貫で行える。CRMやSlackへ連携すれば、商談ログを既存の営業フローへそのまま流し込めるため、会議後の議事録作成という手作業がまるごと消える。
新メンバーへの操作説明や手順共有を非同期で行いたい ─ Loom AIが向く。画面録画にタイトル・要約・チャプターが自動で付くので、視聴側は必要な箇所だけ確認できる。録画内容を手順書やメッセージのテキストへ変換できるため、口頭説明と文書化の二重作業も減る。そもそも会議を開かずに伝達を完結させたい場面に強い。
バグ報告や開発タスクを正確に共有したい ─ Loom AIが適している。画面録画で再現手順を残し、AIが内容をテキスト化してJiraへ共有できる。文章では伝わりにくいUI不具合を、文脈ごと開発チームへ渡せる。ただし進捗会議の議事録自体も残したいなら、Firefliesとの併用が現実解になる。
部門横断で会議記録を標準化したい ─ Fireflies.aiの出番だ。営業・人事・カスタマーサクセスのように会議量が多い部門ほど、自動記録と横断検索の恩恵が大きい。共有ワークスペースに議事録が貯まれば、過去の決定事項を後から掘り起こせる資産になる。
Fireflies.aiを選ぶべきケース / Loom AIを選ぶべきケース
会議を記録・検索・再利用したいならFireflies、会議そのものを動画で置き換えたいならLoom、という線引きで迷いはほぼ消える。
Fireflies.aiを選ぶべきケース
- Zoom・Teams・Google Meetの会議を自動で文字起こし・要約したい
- 商談や面接の決定事項とアクションアイテムを構造化して残したい
- 営業・人事・CSなど会議記録の量が多い部門で運用したい
- CRMやSlackと連携させ、議事録を業務フローへ統合したい
Loom AIを選ぶべきケース
- 画面録画やカメラ付き動画で非同期に説明を共有したい
- 自動生成のタイトル・要約・チャプターで視聴者の時間を節約したい
- 録画内容を手順書やバグ報告のテキストへ変換したい
- Jira連携で開発チームのタスク共有に動画を活かし、会議時間を減らしたい
どちらにも当てはまる、というチームは珍しくない。その場合はFireflies.aiで会議を記録し、Loom AIで非同期の説明を動画化する併用が、最もコスト効率がいい。
導入前に押さえておきたい弱点
Firefliesは便利だが、会議ボットが自動参加する仕様ゆえのプライバシー・録音同意の論点を抱えており、組織で使う前に運用ルールを決めておくべきだ。
海外では、文字起こしツールの録音をめぐる訴訟や、大学・一部企業での会議ボット利用制限といった話題が出ている。会議に第三者のボットが入って録音する以上、参加者への録音告知や同意の取り扱いは避けて通れない。日本の商談でも、相手企業によっては外部ボットの同席を嫌うケースがあるため、導入時に社内ガイドラインを整えておくと後々もめない。加えて、Google Meetなどでの自動参加の誤検知や、無料枠のクレジット消費の分かりにくさを挙げるレビューもある。「自動で楽になる」反面、何が記録され誰と共有されるかを把握しておく必要がある。
Loom側は録音同意の論点こそ軽いが、能動的に録画する手間は残る。会議が勝手に記録されるFirefliesと違い、Loomは「自分で撮って送る」運用なので、組織に定着させるには撮影の習慣化が前提になる。導入のハードルの所在も、両者で逆方向にある。
編集部の評価
正直なところ、この2つを直接比べる構図自体に無理がある、というのが編集部の見立てだ。多くの「Fireflies vs Loom」検索の裏には、AI会議ツールという曖昧なくくりがある。
会議の議事録を自動化したいユーザーにとって、Loomは選択肢に入らない。逆に非同期の動画共有が課題なら、Firefliesは的外れになる。そのうえで個別に評価するなら、Fireflies.aiは多言語の文字起こしとCRM連携を含めた議事録の自動化として依然として重宝する存在で、月$10前後のProは会議量の多いチームには破格に近い。ただし無料枠の制約や録音同意まわりの運用負荷は割り引いて見るべきで、そこを詰めずに入れると後で痛い。
Loom AIは、口頭説明と文書化の二重作業を消すという一点で圧倒的に速い。手順共有やバグ報告を文章で書いて消耗しているチームには、入れた瞬間に効く。一方、議事録ツールとしての期待をかけると確実にがっかりする。結論として、二者択一で悩むより「Firefliesで記録、Loomで発信」の併用を前提に、自分の課題が記録側か発信側かを先に切り分けることを勧める。比較の前に、自分が解きたい問題の向きを確かめてほしい。
よくある質問(FAQ)
Q. Fireflies.aiとLoom AIは何が根本的に違いますか?
Fireflies.aiはZoom・Teams・Meetのライブ会議を自動録音し、文字起こし・要約・決定事項の整理を行う議事録ツールです。Loom AIは画面録画やカメラ動画で非同期に説明を共有する動画ツールで、会議を記録するか、会議を動画で置き換えるかという目的が反対方向にあります。
Q. 商談や営業会議の議事録にはどちらが向いていますか?
商談や営業会議の記録にはFireflies.aiが向いています。オンライン会議の録音・文字起こし・要約・アクションアイテム抽出に対応し、CRMやSlack連携で議事録を営業フローへ組み込めます。Loomはライブ会議の記録用途には設計されていません。
Q. Fireflies.aiの料金はいくらですか?無料でも使えますか?
Fireflies.aiは無料プランがあり、有料のProはおおむね月$10前後です。無料枠には文字起こしの保存数やAIクレジットの上限があるため、会議量が多いチームは有料プランが前提になります。月間の会議数で無料枠に収まるかを事前に試算しておくのが安全です。
Q. 日本語の会議でもFireflies.aiは使えますか?
使えます。Fireflies.aiは日本語を含む100以上の言語の会話認識に対応しており、日本語の商談や定例でも実用範囲で動きます。ただしUIや一部の要約表現は英語が中心のため、専門用語が多い会議では軽い校正を見込んでおくと安定します。
Q. バグ報告や開発チームへの共有にはどちらを選ぶべきですか?
バグ報告や手順共有にはLoom AIが適しています。画面録画で再現手順を残し、AIが内容をテキスト化してJiraへ共有できます。定例会議の議事録も残したい場合は、Fireflies.aiとの併用が現実的な選び方になります。
