
Otter.ai vs Fathom徹底比較|無料枠・料金・連携の違いで選ぶ (2026年版)
この記事のポイント 過去の会議を検索資産として残すならOtter.ai、録画と要約を無料で回し業務に流すならFathom。両者は「会議の何を残したいか」で住み分けるツールで、機能表の多寡では選べない。
会議の文字起こしAIを探すと、まずこの2つにぶつかる。だが片方ずつ無料登録して試すと、3時間が溶ける。
先に結論を置く。会議を後から検索できるナレッジにしたいならOtter.ai、録画と要約を無料でガンガン回したいならFathomだ。この一行で7割の人は決まる。残り3割のために、料金・日本語・連携・精度を順に潰していく。
結論: 用途別にどちらを選ぶか

会議を「検索する資産」として扱うか「次の行動の起点」として扱うか。この一点で答えが割れる。
- 過去の発言を検索・引用したい → Otter.ai。AI Chatで「あの候補者は何と言った?」を会話形式で引ける
- 無料で録画から要約まで回したい → Fathom。録画無制限・通話後30秒で要約が出る
- 商談をCRMに流したい → Fathom。Salesforce/HubSpot連携が前提設計
- 日本語中心の社内会議がメイン → どちらも英語UIで、用途を選ぶ。後述する
迷ったらFathomから試すのが安全だ。完全無料で録画が無制限なので、財布を痛めずに自分の会議に合うか測れる。検索資産化の必要を感じてからOtter.aiへ移っても遅くない。
主要機能の比較表

両ツールの設計思想の差が、そのまま機能配置に出ている。下表で全体像を掴んでほしい。
| 項目 | Otter.ai | Fathom |
|---|---|---|
| 無料枠 | 月300分・基本機能 | 録画/文字起こし無制限 |
| 有料料金 (年払い) | Pro $8.33/月・Business $19.99/月 | 無料中心、上位プランは有料 |
| 核となる強み | AI Chat検索・話者識別・音声同期 | 30秒要約・ハイライト・アクション抽出 |
| 要約スピード | 会議後に生成 | 通話終了から約30秒 |
| 主な連携 | カレンダー・キーワード検索 | Slack/Salesforce/HubSpot/Zapier |
| 日本語UI | 英語のみ | 英語のみ |
| G2評価 | 高評価 | 5.0/5(6,000件超) |
| 向くユーザー | 採用・取材・メディア(英語) | 商談・CS・社内定例 |
表の要点はシンプルだ。Fathomは「無料で速い」、Otter.aiは「貯めて探せる」。次の章から各軸を深掘りする。
料金: 無料枠の設計が決定的に違う

無料で使い倒したいならFathomが一択に近い。録画も文字起こしも無制限で、クレジットカードなしで始められる。
Otter.aiの無料枠(Basic)は月300分まで。週に数本の会議なら足りるが、毎日の定例には早晩届かなくなる。本格運用は有料前提と考えたほうがいい。
Otter.aiの有料プランは2026年時点でこう並ぶ。
- Pro: 年払い月$8.33(月払い$16.99)・1,200分
- Business: 年払い月$19.99/ユーザー(月払い$30)・文字起こし無制限
- Basic: $0・300分
個人で検索資産を育てるならPro、チームで使うならBusinessが現実的な選択になる。一方Fathomは無料枠が厚く、有料は録画保存期間や高度機能の解放が中心。「まず無料、必要になったら課金」の順序で痛みが少ないのはFathomだ。
日本語対応: ここが最大の落とし穴

正直に書く。どちらも日本語ネイティブ向けには作られていない。UIは両方とも英語のみで、文字起こしの主戦場も英語だ。
Fathomは日本語の文字起こし精度が英語より劣ると運営側も認めている。Otter.aiも英語会議を前提に設計されており、日本語の専門用語や固有名詞では取りこぼしが出やすい。
だから日本語100%の社内1on1や雑談混じりの定例に投入すると、期待値とのギャップで「微妙」という評価になりがちだ。英語比率が高い会議、または固有名詞が少ないクリーンな日本語会議に絞るのが両ツールを活かすコツになる。日本語が主戦場なら、国産の議事録AIも併せて検討する価値がある。
検索とAI Chat: Otter.aiの独壇場
過去の会議を「探せる資産」にしたいなら、Otter.aiのAI Chatが決め手になる。
これは録音済みの会議に対して、チャットで質問を投げられる機能だ。「先週の商談で価格の話はどう着地した?」と打てば、該当箇所を要約して返す。議事録を上から読み返す手間が消える。
加えて話者識別と音声同期再生が強い。文字起こしの一文をクリックすると、その瞬間の音声が再生される。採用面談・取材・授業など、発言を正確に引用する必要がある業務では重宝する機能だ。
Fathomにも検索はあるが、設計思想が「探す」より「流す」に寄っている。発言のアーカイブを後から掘る運用なら、Otter.aiが圧倒的に上だ。
要約スピードとアクション抽出: Fathomの速さ
Fathomの売りは「会議が終わった瞬間に要約が出ている」体験だ。通話終了から約30秒で要約が生成され、ハイライトとアクションアイテムが整理される。
商談直後にSlackへ要点を投げたい、次のタスクをすぐ切り出したい——こういうテンポを求める営業・CSにはこの速度が効く。会話から「次の動き」を引き出す用途で、Fathomは正面から強い。
要約品質の評判も高く、G2では5.0/5を6,000件超のレビューで維持している(2026年時点)。AI議事録カテゴリでは破格の数字だ。Otter.aiの要約も実用十分だが、「終わった瞬間にもう要点が手元にある」スピード感はFathomに分がある。
連携: CRMに流すならFathom一択
会議を業務フローに接続したいなら、連携の幅で選ぶことになる。
FathomはSalesforce・HubSpot・Slack・Zapierとの連携を前提に組まれている。商談で出たアクションを案件管理へ同期し、要約をチームチャンネルへ自動投稿する——この導線が標準で引かれている。
Otter.aiはカレンダー連携とキーワード検索が中心で、CRMへの自動同期という点ではFathomに一歩譲る。「会議→CRM→次の商談」のループを回したい営業チームは、迷わずFathomだ。逆に連携より検索性を重視する採用・メディアチームなら、Otter.aiの設計のほうが噛み合う。
それでも他の選択肢も見るべき理由
2強で語られがちだが、用途次第では第三の選択肢が刺さる。
営業でCRM自動化を極めたいならFireflies.aiが多言語・分析面で厚い。検索資産化はOtter.ai、無料の手軽さはFathom、という整理に対し、Firefliesは「分析とエンタープライズ運用」のレイヤーで戦う。
ここで言いたいのは、Otter.ai vs Fathomの勝敗を決める前に、自分の会議が「検索したい/流したい/分析したい」のどれかを決めろということだ。軸さえ定まれば、3ツールの住み分けはきれいに見える。
編集部の評価
公開情報とリサーチに基づく率直な所感を置く。一次利用レポートではなく、仕様と市場評価からの判断だ。
Fathomは「無料AI議事録の現状の答え」だと考える。録画無制限・30秒要約・高評価という三拍子で、まず試す一本として隙がない。課金を迫られないので導入の心理的ハードルが低い。
Otter.aiは「貯めて探す」価値を理解したチームに刺さる。AI Chatで過去会議を引ける体験は、議事録を読み返す文化のある組織にとって重宝する。ただし無料枠300分は本格運用には早晩足りず、有料前提で見るべきだ。
日本語中心の運用では、両者とも正直イマイチな場面が出る。英語会議が主戦場なら全力で推せるが、日本語100%なら国産ツールとの併用を前提にしてほしい。
よくある質問(FAQ)
Q. Otter.aiとFathomは無料でどこまで使える?
Fathomは録画・文字起こしが無制限で、無料の範囲が広い。Otter.aiの無料枠は月300分で、週数本の会議向け。長く無料で使い倒すならFathomが有利だ。
Q. 日本語の会議でも使える?
使えるが、UIは両方とも英語のみで、文字起こし精度も英語が主戦場。固有名詞の多い日本語会議では取りこぼしが出やすい。英語比率の高い会議で本領を発揮する。
Q. 営業の商談管理にはどちらが向く?
Fathom。Salesforce・HubSpotとの連携が前提設計で、アクションアイテムをCRMへ流す導線が標準で引かれている。商談直後の要点共有も30秒で出る。
Q. 過去の会議内容を後から検索したい場合は?
Otter.ai。AI Chatでチャット形式で過去会議に質問でき、話者識別と音声同期再生で発言を正確にたどれる。検索資産化の用途では一段上だ。
Q. 結局どちらから試すべき?
まずFathom。完全無料で録画無制限なので、コストゼロで自分の会議との相性を測れる。検索資産化の必要を感じてからOtter.aiの有料プランへ移っても遅くない。
まとめ: 一行で選ぶ基準
最後にもう一度、選ぶ軸を一行で。
Otter.aiは会議を「検索できる資産」にしたい人へ。Fathomは録画と要約を「無料で速く」回したい人へ。 CRMに流すならFathom、過去発言を引用するならOtter.ai。
日本語100%の会議なら両者とも用途を選ぶ点だけ忘れずに。まずFathomの無料枠で自分の会議に当ててみるのが、時間もコストも一番痛まない始め方だ。
