チャットを開くたびに「あなたは経理担当です。以下のルールに従って…」と同じ前置きを打ち直していませんか。その打ち直し、今日でやめられます。

gptsとは、ChatGPTに役割・ルール・参考資料を先に仕込んでおく機能です。一度作れば、次からは用件だけ打てば済みます。

ただし2026年8月16日、新規作成の入口が個人プランから外れました。いま新しく作れるのは法人向けワークスペースの利用者だけです。コードは1行も書きませんし、ChatGPTの画面の中だけで完結する点は変わりません。

以下、まず「誰が作れるのか」をはっきりさせてから、実際の画面の並び順どおりに手順を追います。つまずきやすい箇所は先に潰しておきました。

gptsとは?普通のChatGPTとの決定的な違い

gptsとは?普通のChatGPTとの決定的な違い

gptsは、指示文と資料をあらかじめ固定した専用ChatGPTです。普通のChatGPTが何でも屋なら、gptsは専門職。

OpenAIが2023年11月に公開した機能で、画面上の表記は「GPTを作成する」「GPT Builder」など。呼び名は揺れていますが、指しているものは同じです。

日本語で「こう振る舞ってほしい」と書くだけで形になります。社内マニュアルどおりに答えるチャットボットも、自社の言い回しを守るライティング用AIも、その日のうちに動きます。

コードを書かずに作れるという意味では、ノーコードAIツールの一種として位置づけると全体像がつかめます。

違いを5つの観点で並べます。

観点普通のChatGPTgpts(カスタムGPT)
役割毎回ゼロから説明一度決めたら固定
資料その都度貼り付け事前に読み込ませておける
共有会話ごとに消えるリンクやストアで配れる
外部連携なしアクション機能でAPI接続可
向く作業一度きりの調べ物毎日繰り返す定型作業

つまり、繰り返す回数が多い作業ほどgpts化の効き目が跳ね上がります。

年1回の調べ物なら普通のチャットで十分。毎朝同じ形式で書く、同じ質問に何度も答えます。そういう作業こそ専用GPTの出番です。

役割を固定できるのはわかった。では、いくらかかるのか。

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ChatGPTが合わなかったら

回答の正しさが不安なら、同じ質問を複数モデルに投げて突き合わせられる

gptsはどのプランから作れる?作れる・作れないの境界線

gptsはどのプランから作れる?作れる・作れないの境界線

ここで多くの人が止まります。gptsは「使う」と「作る」で条件がまったく違うからです。しかも2026年8月に、その条件が大きく変わりました。

線引きははっきりしています。新規作成と公開は、個人アカウントでは一切できません。OpenAIの公式ヘルプ(GPTs in ChatGPT)は「新しいGPTの作成と公開は、無料・Go・Plus・Proを含む個人のChatGPTアカウントでは利用できません」と明記しています。適用は2026年8月16日から。共有まわりも同様で、Sharing and publishing GPTsに「個人アカウントは新しいGPTを作成も公開もできない」と書かれています。

無料版でどこまで触れるのかは、無料版と有料版の違いを整理した記事に細かくまとめています。

2026年8月時点で、作成可否を整理します。

アカウント種別公開GPTを使う新規に作るストアに公開既存GPTを編集
無料(¥0)××プランと権限しだい
Go(¥1,400)××プランと権限しだい
Plus(¥3,000)××プランと権限しだい
Pro(¥16,800〜)××プランと権限しだい
Business / Enterprise / Edu

つまり、2026年8月以降に新しくGPTを作りたいなら、法人向けワークスペースの契約が前提になります。ここが今年いちばん大きな変化です。

すでに作ってあるGPTは、この変更後も使い続けられます。編集も「これまでのプラン要件と権限を満たしていれば」引き続き可能、というのが公式の書き方です。過去に作った資産が消えるわけではありません。

法人ワークスペースでも、作成・共有・公開の可否は管理者の設定と役割権限しだいです。「作成」メニューが出ないときは、契約プランを疑う前に社内の管理者へ確認するほうが早いです。

個人でカスタムGPTのような使い方をしたいなら、いまの現実的な代替は3つです。

  • Projectsを使って、案件ごとに会話と資料をまとめる(個人プランで使えます)
  • カスタム指示(Custom Instructions)で、全会話に共通の役割を持たせる
  • ChatGPT以外のノーコードAIツールで同種の専用アシスタントを組む

ChatGPT Goの枠そのものを詰めたいなら、ChatGPT Goの制限をまとめた記事が参考になります。

条件が整理できたら、作成画面の手順へ進みます。ここから先はワークスペースで作成権限を持つ人、または既存GPTを編集する人向けの内容です。

PCでのgpts作り方7ステップ

PCブラウザでの手順です。全体で10分ほど。専門用語はほとんど出てきません。

ステップ1:GPTビルダーを開く

ChatGPTにログインし、左サイドバーの「GPT」から「+作成する」を押します。これで作成画面が開きます。

メニューや「+作成する」が見当たらないときは、個人アカウントでログインしている可能性が高いです。2026年8月16日以降、作成ボタンはBusiness・Enterprise・Eduのワークスペースでしか出ません。ワークスペースにいるのに出ない場合は、管理者側の権限設定を確認してください。

ステップ2:Createタブで目的を一言だけ伝える

最初に開くのは対話モードです。「領収書の内容を仕訳の形に整理する経理アシスタントを作りたい」のように、日本語で目的を打ち込みます。

AIが名前・アイコン・大まかな設定を提案してくれます。ここは粗くて構いません。骨組みだけできれば十分。

ステップ3:Configureタブに切り替える

上部の「Configure(設定)」をクリック。ここがgptsの心臓部です。

対話モードだけで仕上げようとすると、細かい指定が反映されずに堂々巡りになります。設定タブで直接書き換えるほうが圧倒的に速いです。

主要な入力欄は4つです。

  • Name:用途がひと目でわかる短い名前
  • Description:何をするGPTかを一文で
  • Instructions:振る舞いのルール本体
  • Conversation starters:最初に押せる質問ボタン

ステップ4:Instructionsに指示文を書く

ここの出来で品質の8割が決まります。書き方は次のH2でテンプレごと渡します。

いまは「役割・入力・出力形式・禁止事項」の4点を日本語で書く、とだけ覚えてください。

ステップ5:知識ファイルを読み込ませる

Knowledgeの欄に、参考にさせたい資料をアップロードします。社内規定、商品リスト、過去の原稿など。

PDF・Word・テキスト・CSVが使えます。ここも落とし穴が多いので、専用のH2で詳しく扱います。

ステップ6:Capabilitiesで使う機能を絞る

Web検索・画像生成・データ分析(Pythonの実行)のオン・オフを切り替えます。

データ分析をオンにしたときの具体的な使いどころは、高度なデータ分析の解説記事が参考になります。

全部オンが正解ではありません。社内資料だけを根拠に答えさせたいGPTでWeb検索をオンにすると、ネットの情報が混ざって答えがブレます。使わない機能は切ります。

ステップ7:プレビューで試して保存する

右側のプレビュー欄に質問を打ち、想定どおり答えるか確認します。ズレたらInstructionsに戻って一文足します。この往復が3回もあれば形になります。

右上の「作成する」から公開範囲を選んで保存。「自分だけ」「リンクを知っている人」「GPTストアに公開」の3択です。

迷ったら「リンクを知っている人」。あとから変更できます。

保存できたら、次は中身の精度です。

Instructionsの型:コピペして埋めるだけ

Instructionsは自由記述ですが、型に沿って書くと精度が跳ね上がります。ゼロから文章を考える必要はありません。

以下をコピーして、山カッコの中を自分の用途に置き換えてください。

# 役割
あなたは<業種・職種>のベテラン担当者です。

# 入力
ユーザーは<入力される内容>を渡します。

# 手順
1. <最初にすること>
2. <次にすること>
3. 不明な点は推測せず、ユーザーに質問する

# 出力形式
- <箇条書き / 表 / 見出しつき文章 など>
- 文字数は<目安>

# 禁止事項
- 資料にない数字を書かない
- <業務固有のNG>

この型が効くのは、AIが迷う余地を先に潰しているからです。

とくに「不明な点は推測せず質問する」の一行は必ず入れてください。これがないと、AIがそれっぽい嘘をつくこと(ハルシネーション)が一気に増えます。

書くときのコツを4つ。

  • 曖昧語を消す:「丁寧に」より「敬語で、1文60字以内で」
  • 例を1つ入れる:良い出力の実例を貼ると再現性が上がる
  • 否定より肯定:「くだけた表現を使わない」より「です・ます調で書く」
  • 長すぎない:2,000字を超えたあたりから守られない指示が出はじめる

指示文そのものを深掘りしたいなら、ChatGPTのプロンプトの書き方カスタム指示(Custom Instructions)の設定解説も合わせて読むと、Instructionsに流用できる型が増えます。

つまり、指示文は「短く・具体的に・実例つき」。この3点だけ守れば十分です。

指示文が固まったら、次は資料の渡し方でつまずきます。

知識ファイル(Knowledge)でつまずくのはなぜ?5つの落とし穴

Knowledgeは強力ですが、期待どおりに動かないという相談が最も多い場所でもあります。

原因はだいたい次の5つに収まります。

つまずき何が起きるか対処
画像PDFを入れた中身が読まれず無視されるテキスト化してから入れる
ファイルが巨大一部しか参照されない用途ごとに分割する
似た資料を大量投入古い版を引いてくる最新版だけ残す
表が複雑数値の読み違いが起きるCSVに直す
機密資料を投入共有範囲によっては流出公開設定を「自分だけ」に

つまり、渡す前に「テキストになっているか」「余計な版が混ざっていないか」を見るだけで、事故の大半は防げます。

とくに1つ目。スキャンした紙のPDFは、見た目は文字でも中身は画像です。AIには白紙同然に見えています。

ファイル数は10個前後まで、1ファイルは数十ページまでに抑えるのが実用的です。多く入れるほど賢くなるわけではありません。むしろ的中率が落ちます。

そして機密の扱いです。公開設定を「GPTストアに公開」にしたまま社内資料を入れると、質問の仕方によっては中身が引き出されます。社内向けGPTは必ず「自分だけ」か「リンクを知っている人」に。

ここまでの整理: 新規作成はBusiness・Enterprise・Eduのワークスペース限定。手順は7ステップ、10分。品質を決めるのはInstructionsの型と、Knowledgeに入れる資料の下ごしらえ。この3点だけです。

資料の準備ができたら、次は「PCがない」場合の話です。

スマホだけでgptsは作れるのか?

結論から書きます。閲覧と利用はスマホで問題なし。作成はPCブラウザが現実的です。

そもそも作成・編集はWeb版限定で、モバイルアプリはGPTを使うことしかできません。これは公式ヘルプに明記されています。ワークスペースで作成権限を持っていても、スマホアプリからは作れません。

現実的な使い分けはこうなります。

  • 作る・直す:PCブラウザ
  • 使う・人に見せる:スマホアプリ
  • 出先で軽く直したい:スマホブラウザの「デスクトップ表示」

iPadでキーボードを繋いでいるなら、ブラウザ版でそこそこ作業できます。ただ本気で作り込む日はPCを開いたほうが早いです。

作れたとして、次は「誰に配るか」です。

GPTストアへの公開と収益化の現状

作ったGPTの配り方は、リンク共有・ワークスペース内共有・GPTストア公開の3通りです。ただし新規の公開ができるのはBusiness・Enterprise・Eduのワークスペースだけで、個人アカウントは公開もできません。ここは作成と同じ日付(2026年8月16日)で線が引かれました。

ワークスペースで公開する場合、必要な準備は3つ。

  • ビルダープロフィールの設定(名前かWebサイトの認証)
  • わかりやすい名前と説明文
  • 会話スターターの用意

名前と説明文は検索結果に出る看板です。「営業メール作成」より「BtoB向け新規開拓メールを3案出すGPT」のほうが確実に見つけてもらえます。

収益化については、期待しすぎないほうがいいというのが率直なところです。

OpenAIは開発者向けの収益分配プログラムを段階的に案内してきましたが、日本の個人開発者が安定した収入を得られる仕組みとして広く開放されている状況ではありません。そのうえ個人アカウントからの新規公開経路自体が閉じたので、「GPTストアに出して稼ぐ」は個人にとって現実的な選択肢ではなくなりました。

法人ワークスペースでの現実的な使い道は3つです。

  • 自社サービスへの入口として無料で配る
  • 見込み客への実演ツールとして使う
  • 社内の業務標準として配布する

つまり、GPTs自体で稼ぐより「GPTsを名刺代わりに使う」ほうが再現性が高いです。ここは正直に書いておきます。

公開まで来たら、あとは動かし続ける工夫です。

実務で効くgptsの作例5タイプ

どんなGPTを作れば元が取れるのか。相談の多い用途を5つの型にまとめます。

何をさせるか効果が出やすい人
文体固定ライター自社の言い回しで原稿を書く広報・オウンドメディア担当
問い合わせ一次対応よくある質問に規定どおり答えるカスタマーサポート
議事録整形走り書きを決定事項と宿題に分ける会議の多い管理職
資料の要点抽出長文PDFから条件と数字を抜く法務・調達・企画
定型メール生成状況を入れると3案返す営業

つまり、毎日か毎週かならず発生する作業を1つ選ぶのが正解です。

一番効くのは「文体固定ライター」型。過去の原稿を5〜10本Knowledgeに入れるだけで、出力の手触りが自社寄りに変わります。地味に効きます。

議事録整形型を本格運用するつもりなら、AI議事録ツールの専用サービスと比べてから決めるほうが安全です。録音から文字起こしまで丸ごと任せたいなら専用ツールに分があります。

逆に、うまくいきにくいのは「何でも相談できる万能アシスタント」型。役割が広すぎて、普通のChatGPTとの差が出ません。専用にするから価値が出るのであって、汎用にするなら作る意味が薄いです。

作例が決まったら、他の選択肢と比べておきます。

gptsで足りないとき:Projectsと他ツールの使い分け

ChatGPTには、gptsと似た機能がいくつかあります。混同すると遠回りになるので整理します。

機能向く場面共有
gpts役割を固定して繰り返し使う・人に配るできる
Projects案件ごとに会話と資料をまとめる自分中心
通常のチャット一度きりの相談できない

つまり、配るならgpts、抱えるならProjects。この分け方で迷いません。

そして、gptsでは届かない領域もあります。社内システムとつなぐ、大量のデータを毎日処理する、複数のAIを組み合わせます。こうなるとGPTsの枠を超えます。

その場合はAI業務効率化ツールの比較から、目的に合う専用ツールを選ぶほうが早いです。無理にGPTsで背伸びすると、動くけれど誰も保守できない仕組みができあがります。

判断の目安はシンプルです。ChatGPTの画面で完結する仕事はgpts、外に出る仕事は別ツール

編集部の評価

gptsの位置づけは、2026年8月16日を境に反転しました。個人が気軽に自分専用AIを組む機能から、法人ワークスペースの業務標準化ツールへ寄せられた形です。個人ユーザーにとっては、正直イマイチな変更です。

一方で、社内利用の道具として見ると評価は上がります。属人化していた作業手順を、指示文と資料の形で外に出せます。担当者が変わっても同じ品質で回ります。この効果は重宝します。OpenAIが法人側に寄せたのも、この用途で使われている実態が大きいからでしょう。

作るなら一択で「毎週必ず発生する定型作業」から。汎用アシスタントを作ろうとした人は、だいたい2週間で使わなくなります。

個人プランのユーザーには、Projectsとカスタム指示の組み合わせを勧めます。GPTsほど配布性はありませんが、「役割と資料を固定して使い回す」という中身は再現できます。すでに作ったGPTを持っているなら、それは今後も動く資産です。消える前提で慌てて作り直す必要はありません。

法人ワークスペースを持っているなら、いまが仕込みどきです。個人が新規参入できなくなったぶん、社内向けGPTの整備に集中できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 無料版でgptsは作れますか

作れません。しかも2026年8月16日以降は、Go・Plus・Proといった有料の個人プランでも新規作成できなくなりました。他人が公開したGPTを使うことはできます。新しく作りたい場合はBusiness・Enterprise・Eduのワークスペースが必要です。

Q. すでに作ったGPTはどうなりますか

使い続けられます。編集も、これまでのプラン要件と権限を満たしていれば引き続き可能だと公式ヘルプに書かれています。ただし新規作成と新規公開は個人アカウントでは止まっているため、「作り直し」はできない前提で扱ってください。

Q. 作成にかかる時間はどれくらいですか

初めてでも30分ほど、慣れれば10分です。時間がかかるのは操作ではなくInstructionsを考える部分なので、この記事の型を埋めるところから始めると短縮できます。

Q. Knowledgeに入れた資料は他人に見られますか

公開設定によります。「自分だけ」なら安全ですが、ストア公開したGPTは質問の仕方によって資料の内容が引き出される可能性があります。機密資料は公開GPTに入れないでください。

Q. 作ったGPTは後から編集できますか

できます。GPT一覧から該当のGPTを開き、編集画面でInstructionsやKnowledgeを差し替えれば、以降の会話に反映されます。編集はWeb版限定で、モバイルアプリからはできません。

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GPTsの新規作成が個人プランから外れたいま、次に見るべきはProjectsとカスタム指示の使い方です。ChatGPTの料金プランを比較した記事も、モデルの利用上限や画像生成の枠まで含めて比べられるので、どこまで個人プランで足りるかの判断が10分で終わります。